研究課題/領域番号 |
21K10293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 西南女学院大学 |
研究代表者 |
笹月 桃子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (40809125)
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研究分担者 |
酒井 康成 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10380396)
加部 一彦 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30201437)
櫻井 浩子 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (50584380)
松岡 真里 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30282461)
板井 孝一郎 宮崎大学, 医学部, 教授 (70347053)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 協働意思決定 / 対話 / 医療者 / 家族 / 代理意思決定 / 小児 / 医師・家族関係 / 子ども |
研究開始時の研究の概要 |
重篤な病態を抱える子どものいのちに関わる医療の方針は、小児科医と家族の協働意思決定を通じて個別に見出される。その協働の実像である両者間の対話がどのような関係性の中で、いかなる言説で構築され、最終的に決定に至っているのか、それを現場から把握する意義は大きい。現場の意思決定支援の在り方が示唆され、それが子どもにとって最善の医療方針に還る。 本研究では、我が国の小児医療現場における小児科医と家族の対話の実態を調査する。対話を通じて(1)交わされる言説(言葉と文脈)、(2)構築される関係性、(3)最終決定に至る過程、について、小児科医・家族・看護師の三者の視点から、質的・量的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
前年度までに得られたインタビューデータの解析では、医療の方針については、誰が、どのように決めるか、あるいは決まるか、ではなく、そのようになっていく、という連続的な動線上に方針決定が見出されること、特にご家族にとっては、そういうことだという納得と共に、その動線に乗ることが、医療者の目線から伺えた。 令和5年度は重篤な疾患を持つ子どもの家族対象のインタビューを開始した。2組を終え、医療者との関係性、意思決定の場に置かれた心理社会的体験、家族内での対話などについて語られた。医療体験について比較的肯定的な印象を元にした騙りであったものの、医療者と家族の対話に際する問題提起もなされ、今後の詳細な分析において、明確に抽出しつつ、データをさらに増やしていきたい。 本研究結果は、理論抽出のみならず、現場における協働意思決定のガイダンスとなるべく貴重なデータとなり得る。2024年に改訂版が公開される日本小児科学会の「重篤な疾患を持つ子どもの医療をめぐる話し合いのガイドライン」の実践ガイド作成の基礎資料ともなり得る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
家族対象のインタビュー数が確保されず、GTAにおける理論的飽和に至っていない。さらなるインタビューが必要であるが、サンプリングとインタビュー時間の確保の困難さが、全体の進捗が想定より遅れる原因となっている。
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今後の研究の推進方策 |
・医師及び看護師対象のインタビューを継続しながら家族対象のインタビュー数を増やす。その上で随時、分析を急ぐ。 ・分析の結果から、現場においてどのようにいのちに関わる治療方針が決定されているか、理論抽出する。 ・上記結果をアンケート調査項目におとして、全国調査を行い、理論の妥当性の検証及び、全国の現場における実態を把握する。 ・論文化する
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