配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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研究実績の概要 |
本研究では,尿中バイオマーカーの候補として,泡立ちが無いような微量の蛋白質の混入や,赤色として肉眼では認識できない潜血である赤血球等の細胞と,感染症等による細胞の混入を,新たに分光電気化学的検出手法を構築し,1次スクリーニングとしての早期発見や2次スクリーニングとしての経過観察等の定量が可能なPOCT(point-of-care testing)を目指す。 当該年度はPOCTの反応原理と計測原理の構築に向けた基礎的検討を中心に,使い捨て型バイオセンサの製作に関する検討も含め以下の項目について実験的検証を行った。 ①新製品である超小型のポテンショスタットを導入でき,特に反応時間の短縮化に向けた検討を実施した。まず,従来使用していたポテンショスタットと同様なホルマザンの酸化ピーク電位がボルタンメトリで確認でき,アルブミン濃度に依存した酸化応答電流もアンペロメトリで検出できた。続いて,反応溶液に新たに界面活性剤を混合し,従来と同様な応答電流が得られるかを測定したところ,さらに1種類の界面活性剤でこれまでの30分の反応時間よりも短縮の可能性を有する実験結果が得られた。 ②今回は特に,使い捨て型バイオセンサの構造および製作条件の一定化を目指し,電極材料であるペンシルグラファイトを平面配列とする治具を試作した。続いて,バイオセンサの試作には基板にポリプロピレン板と,グラファイト電極と基板の接着,溶液を添加するウェル状に形成するためにUV硬化レジンを使用した。新たにレーザー加工機を導入して,バイオセンサの基板の切断等の精密加工を行った。 ③使い捨て型バイオセンサおよびヒト由来の精度管理用尿を用いた電気化学的検出では,尿中物質由来と思われる酸化ピーク電位が見られたが,ホルマザンの特異的な酸化ピーク電位も確認でき,3濃度で蛋白質濃度に依存した応答電流も検出することができた。
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