研究課題/領域番号 |
21K10307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
横山 徹 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (60756419)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | バイオセンサ / 尿蛋白質 / 分光電気化学 / 水溶性テトラゾリウム塩 / グラファイト電極 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,尿中バイオマーカーの候補として,泡立ちが無いような微量の蛋白質の混入や,赤色として肉眼では認識できない潜血である赤血球等の細胞と,感染症等による細胞の混入を,新たに分光電気化学的検出手法を構築し,1次スクリーニングとしての早期発見や2次スクリーニングとしての経過観察等の定量が可能なPOCT(Point-of-care Testing)を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,尿中バイオマーカーの候補として,泡立ちが無いような微量の蛋白質の混入や,赤色として肉眼では認識できない潜血である赤血球等の細胞と,感染症等による細胞の混入を,新たに分光電気化学的検出手法を構築し,1次スクリーニングとしての早期発見や2次スクリーニングとしての経過観察等の定量が可能なPOCT(point-of-care testing)を目指す。 当該年度はPOCTの反応原理と計測原理の構築に向けた基礎的検討を中心に,以下の項目について実験的検証を行った。 ①今回も,新製品である超小型のポテンショスタットを導入でき,特に反応時間の短縮化に向けた検討を実施した。まず,従来使用していたポテンショスタットと同様なホルマザンの酸化ピーク電位がボルタンメトリで確認でき,アルブミン濃度に依存した酸化応答電流もアンペロメトリで検出できた。続いて,反応溶液に新たに界面活性剤を混合し,従来と同様な応答電流が得られるかを測定したところ,さらに1種類の界面活性でこれまでの30分の反応時間よりも短縮の可能性を有する実験結果が得られた。 ②また,電極材料であるペンシルグラファイトについて,直径が太いのものを用いることでこれまでの電極表面積よりも増大させた。また,硬度により応答電流の増加が見られるかも引き続き検討している。 ③さらに,多検体の計測を短時間で可能にするためにペンシルグラファイトを簡便に装着できる治具を3Dプリンタにより試作した。反応溶液を混合するマイクロプレートのウェル内にペンシルグラファイトを浸漬させる装着の手技が,簡便,迅速に実施できた。 ④今回は特に,使い捨て型電極の構造および製作条件の一定化を目指し,ペンシルグラファイトを平面配列とする治具も試作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の進捗状況は,初年度前半からのCOVID-19感染拡大による入構制限等のため当初予定していた研究計画がやや遅れている。 現在も,半導体素子等を用いた電子部品や計測装置が入手しづらく代替の実験内容や検討方法も調査している。 特に,初年度導入のポテンショスタットは,当初予定していた試作機を製作するよりも低価格で導入できるため,さらに数台を購入することで計測を同時進行することが可能となる。当該年度の前半に1台の追加導入を試み,並列に計測できるかも探り,その後数台の導入も判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策については,尿中の蛋白質およびアルブミンを定性,半定量する手法の構築も同時進行させ,医療機器による判定との比較検証を精査している。 さらに,ヒト尿検体において尿検査の代表例である尿試験紙を用いた測定12項目について,定性と半定量の判定結果に加えて連続的な数値データである尿試験紙の反射率も尿化学分析装置で計測した。特に尿蛋白質,尿アルブミン,尿クレアチニンの3項目について重点的に解析を進めており,尿pH,尿比重,尿潜血と尿亜硝酸塩の解析も予定している。 当該年度はヒト尿由来の精度管理用の試料を用いて電気化学的検出の条件の最適化を図る。具体的には,①反応溶液の濃度条件の最適化を図る。反応原理の検討として,界面活性剤の種類の追加と混合の濃度を高低変化させた条件で比較する。②計測原理の最適化として,ペンシルグラファイトの直径と硬度の条件を比較検証する。
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