研究課題/領域番号 |
21K10309
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
藤谷 克己 学校法人文京学院 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (80604123)
|
研究分担者 |
谷口 優 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 主任研究員 (40636578)
松下 博宣 東京情報大学, 看護学部, 教授 (70591949)
田村 由美 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (90284364)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | コラボレイティブ・リーダーシップ / 多職種連携協働 / 組織学習 / 心理的安全性 / ソーシャルキャピタル / 医療サービスの質 / 医療サービスの効率性 / コラボレイティブリーダーシップ / 多職種連携 / リーダーシップ / コラボレイティブ・リーダー / チーム医療 / 国際共同研究 |
研究開始時の研究の概要 |
医療における多職種連携に欠かせない要素の1つ、リーダーシップの機能について解明する。AICLSの実用性を本邦で検証しつつ、医療チームにおけるコラボレーティブ・リーダーの存在とリーダーの機能的評価を職種別・階層別・部門別に計測し、リーダーの最適化要素を見出す。さらにリーダーの機能と医療安全・医療の質向上との関係を考察する。その上で当該基礎的研究結果から抽出された要素を整理分析し、コラボレーティブ・リーダー養成のための、IPE(多職種連携教育)の実践的提案へとつなげる。また本研究は日本のみならず東アジア等、日本と文化的要素を共有する海外地域での国際的実証研究を展開する。
|
研究実績の概要 |
本研究は2019年度から実施している「多職種協働チームのヘルスケアサービス質に対するインパクトの国際的実証研究」(課題番号:1910491)をさらに発展させた継続研究で、多職種連携協働におけるリーダーシップの機能を解明しようとしたものである。2021年度は調査機関及び協力医療施設の選定を行い、また原指標AICLS(Assessment of Interprofessional Collaborative Leadership Scale)の実地検証及び精査を修了し、日本版AICLS(AICLS-J)を開発した。それらを基に2022年度は本格的な調査実施に入ったが、重なるCovid19感染症の拡大により、多くの協力医療施設は、急性期医療機関であるため感染症対策に追われ、当初予定していたような研究の進捗を図ることが出来なかった。しかしそのような中でも1部の医療機関からは協力をもらうことが出来、課題解決の糸口を見出すことが出来た。本年は、多職種連携協働の調査において他の要素との強い連関性が示唆され、それら各要素とリーダーシップ機能との関係性を中心に観察することで、機能解明につながる点に仮説を置いた。具体的には「組織学習」、「職場のソーシャルキャピタル」、「心理的安全性」などの指標を用いたメンバーの多職種連携協働に対する意識である。その中でも心理的安全性評価尺度の日本語版指標の開発を、本研究の中で実施した。また急性期医療機関では、三次救命救急センターにおける各重症系ユニット(ICU,CCU,HCU etc.)と他部門との異同を検証することで、多職種連携協働及びコラボレイティブ・リーダーシップの機能にどのような違いがあるかを検証した。また本研究の調査結果を基に、各協力医療機関に対して報告研修会を行い、多職種連携教育(IPE)研究の足掛かりとしてのステップを実施している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は主に自治体立急性期大規模医療施設、3施設の協力を得て、多職種連携協働(AITCS-Ⅱ-J)とコラボレイティブ・リーダーシップ(AICLS-J)に関する調査を行った。他の指標との関連を観察することで、より詳細にリーダーシップ機能の構造を分析することを試みた。具体的には「組織学習」、「職場のソーシャルキャピタル」、「心理的安全性」などの指標を用いたメンバーの多職種連携協働に対する意識をウェブアンケートにより、データを収集し、各データの関連を共分散構造分析からパス図を作成した。各要素間での関連を編回帰係数で表した場合、コラボレイティブ・リーダーシップは全ての指標に強く関連性を有していた。1つの自治体病院では2019年から経年的にリーダーシップ機能の構造を分析することができ、さらにIPE等の多職種連携協働研修を実施し、IPE教育の課題についても触れることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は大規模医療施設の調査を基に、多職種連携協働におけるリーダーシップ機能の構造を分析しようと試みた。2023年度は医療施設を中心に、コミュニティにおける様々な医療資源、具体的にはクリニック、リハビリテーション病院、在宅医療、訪問看護ステーション、特別養護老人ホーム、老人保健施設、デイサービス等における、地域ケアにおけるリーダーシップ機能の構造を分析する予定である。 また本研究のゴールであるIPEに関して、効果的な教育手法を考察し、併せてコラボレイティブ・リーダーを養成する教育研修手法についても検討を行う。
|