研究課題/領域番号 |
21K10310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
角田 ますみ 杏林大学, 保健学部, 准教授 (40381412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 倫理教育 / 介護倫理 / 生命倫理 / 倫理研修方法 / 研修プログラム開発 / エフェクチュエーション / アドバンス・ケア・プランニング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「介護職の倫理的問題に対する対処意欲及び行動力の向上に有効な倫理研修プログ ラムの開発」を目的とする。超高齢社会の担い手である介護職にとって倫理観は重要であるが、現行の研修では基礎的知識の伝授にとどまる傾向にあり、問題解決への具体的な行動や意欲に結びついていない現状がある。そのため心理学的手法(Strength Finder及びDiSC理論)をトリガーとして用い、自身の行動特性や思考の傾向性を認識、互いの倫理的価値観の理解と共有、それに基づいて多様な倫理的問題への対応を見出す取り組みを行い、それをサポート(承認)するというサイクルを生み出すための倫理教育研修プログラム開発を目指す。
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研究実績の概要 |
研究計画に沿って、R4年度は倫理教育のプログラム開発にかかわる文献や媒体の情報収集を行い、文献調査を行った。それにより最適な研修プログラムの具体的な内容を検討した。 倫理教育プログラムの中心的テーマについては、認知症者や意思決定への意欲が低下した高齢者への意思決定支援に焦点をあて、特にアドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Plannig:以下ACP)をふまえた意思決定支援に関わる倫理的問題についての文献収集およびレビューを行った。介護業務が医療行為や看取りにまで拡大してきたことを受けて、介護現場でも意思決定支援で問題を抱える事例が増えている。そこで、倫理教育プログラムのテーマをACPを中心にして展開することとし、ACP関連の文献調査を追加で行った。その結果を踏まえて介護におけるACPに関する論文を執筆した。 さらに研修で提示する問題解決方法の構築については、経営学の意思決定理論であるエフェクチュエーションが有用ではないかという仮説にいきあたり、倫理的問題の解決を見出していく手法としてのエフェクチュエーションの適用可能性を検討した。その結果、エフェクチュエーションの思考過程はまずACPなどの意思決定支援に適用可能性を持つことが明らかになった。また、この理論は倫理的問題の解決にも適用可能と考えられる。今後はエフェクチュエーションの知見を倫理教育プログラムに活用できないかを検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
残念なことにコロナ禍の余波を受けて、対象となる介護施設では家族等の必要最低限の面会のみとしており、外部者が集合で研修を行うことが難しく、研修実施の予定が立てづらかっため、やや遅れている状況にある。 しかし、倫理教育プログラムの中心的なテーマに加え、問題解決に有益な新たな知見を見出すことができ、プログラム内容の構築に時間をかけることができたので、今後に生かしていく。
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今後の研究の推進方策 |
感染状況をふまえつつ、研修実施にむけて対象施設と調整を図っていく。また、倫理教育プログラムに新たな知見を適用し、介護現場における倫理研修の有効なプログラムについてさらに洗錬化させていく。
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