研究課題/領域番号 |
21K10316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
恩田 光子 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (60301842)
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研究分担者 |
福森 亮雄 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00788185)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 認知症 / 薬局 / 薬剤師 / 多職種連携 / 地域包括ケア / 介護負担 / 服薬介助 / 服薬支援 / サポート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、薬局で実践可能な「認知行動療法に基づく介護者支援のためのプログラム」を開発する。また、薬局及び地域包括支援センターを基軸とする、認知症の早期発見体制の構築とその有用性を検討する。さらに、今回開発した介護者支援プログラムを受講した薬局薬剤師による介入がもたらす、介護負担の軽減及び薬物療法適正化の効果について検証する。以上、「介護者支援」、「認知症の早期発見」、「薬物療法のマネジメント」の3点をカバーする認知症支援体制の構築と、そのアウトカムを示すことができれば、異業種を広範に含む「薬局を拠点とした認知症の包括的な支援体制」の実現に貢献できる。
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研究実績の概要 |
今年度は、テーマを2つ設定した。1つは、「薬局と地域包括支援センター(以下、センター)の連携による認知症早期発見プロジェクト」の構築とその有用性評価である。当初、薬局を起点とした、認知症の早期発見⇒センターへの連絡⇒センターによる介入⇒早期の診断・治療・支援という連携体制の構築を試みたが、最初から認知症に特化すると、相談事例の掘り起こしが難しいことが判明した。そこで、協力地域の薬局、行政、センター関係者と協議し、薬局を「高齢者の総合相談の窓口」として機能させ、センターと情報共有することにより、要援護高齢者に対する医療・介護の連携体制を構築し(「薬局・包括連携ねっと」と命名)、それを通して認知症への対応力を強化することにした。その結果、当該地域の10か所の薬局からセンターへ9例/年の介入依頼があり、うち4例が認知症事例であった。 もう1つは、認知症患者を介護している家族介護者(以下、認知症家族介護者)を支援するスキルを薬局薬剤師が修得するための研修プログラム(START-PharmD)を開発し、その有用性を確認した。STARTは、英国ロンドン大学で開発された、認知症の周辺症状BPSDへの対応方法、患者への上手な接し方、介護者自身のストレスマネジメントなど、認知行動療法をベースにした認知症家族介護者への支援プログラムである。START-PharmD:START for PHARMacist to support Dementia patient and caregiver」は、STARTを参考に、薬局や在宅で薬剤師が服薬指導や相談対応時に、介護者の心理的な不安や負担を軽減できるようなコミュニケーションスキルを学ぶ。参加者は4回コースで18名、うち研修前後のアンケートデータが揃っている6名について、研修の有用性を検証した結果、いずれも他者へ受講を推薦するなど高い評価を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目までに予定していたテーマについては、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度(3年目)に実施を予定している介入研究について、薬局が繁忙なため、プロトコルの簡便化、協力薬局の確保に若干時間を要しているので、検討を急ぎたい。
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