研究課題/領域番号 |
21K10324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
後藤 由和 金沢大学, 医学系, 准教授 (60282167)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 院外心停止 / 蘇生中止 / 病院前救護 / 医療社会学 / 疫学 / 転帰 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、救急隊が蘇生現場で運用可能な「院外心停止に対する発生場所別の蘇生中止基準」を開発・検証し、我が国で初めてとなる救急隊が現場で蘇生を中止する仕組みを提案することである。そのため、消防庁が全国集計している院外心停止データを用いた観察研究を計画した。本研究代表者が先行研究で開発した救急隊員が蘇生現場で判断する「現場蘇生中止基準」に、新たに心停止発生場所の因子を加え、より精度の高い判断基準の開発をめざし、その開発基準の妥当性を検証するものである。
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研究実績の概要 |
本年度は、(A)前年度に開発し論文発表した、院外心停止患者(特に初期心電図が心静止症例)に対応する「来院時蘇生中止基準の改良版(Crit Care 2022;26:137, DOI:10.1186/s13054-022-03999-x)」の追加研究(初期心電図が無脈性電気的活動である院外心停止例にも対応可能な「来院時蘇生中止基準」の開発研究)と(B)小児院外心停止に関する転帰予測モデル(本研究代表者が開発したモデル、Crit Care 2014;18:R133)の外部検証の研究を主な課題とした。(A)の課題においては、消防庁が集積しているウツタイン・データ(N=630,489、2016-2020)を解析・検討した。その結果、無脈性電気的活動初期心電図傷病者が来院した時点で次の項目を満たした場合、すなわち、(1)目撃が無い(2)救急隊の病院前蘇生時間>20分(3)病院到着までに一度も自己心拍再開が無い(4)年齢が80歳以上であることの4項目すべてを満たした場合に、来院後の救命処置を実施することなく、蘇生を中止できるとした。本基準は、心停止後1か月後の死亡予測に対する陽性的中率と特異度が共に99%以上であった。この基準の適応割合は、無脈性電気的活動心停止患者のおよそ8%に該当していた。また、(B)の課題においては、小児院外心停止のウツタイン・データ(N=6,516、2016-2020)を用いて検討した。その結果、4階層分類モデル(Good:生存率80%、Moderately good:生存率50%、Poor:生存率10%、Very poor:生存率5%)は適正性に運用可能であることが示された。以上の研究成果は、第51回日本救急医学会総会・学術集会および欧州心臓病学会2023において発表された(EHJ 2023;44(suppl2):ehad655.1601 and 1573)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の課題であった2課題を公表することができたので、おおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の英文論文化に至らなかったこと、および心停止発生場所データの解析が不十分であったため、本研究課題を1年延長することとした。
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