研究課題/領域番号 |
21K10340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
井上 優 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (90726697)
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研究分担者 |
田中 亮 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (50454880)
戸田 晴貴 兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 研究員 (70828665)
田中 繁治 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (50817666)
加藤 剛平 東京保健医療専門職大学, リハビリテーション学部, 講師 (60465820)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | フレイル / 通いの場 / 地域在住高齢者 / 社会関連活動 / 効用値 / ICT / 高齢者 / 費用対効果 |
研究開始時の研究の概要 |
世界的拡大を見せるCOVID-19への感染の懸念から,地域高齢者は様々な行動自粛を強いられ,フレイル進行のリスクを抱えている.今,社会はオンラインで人との繋がりを持つ利便性を目の当たりにしている.たとえ高齢者であっても,機器の導入方法を工夫し,オンラインで人と繋がる利便性を経験できれば,若年層や就労層と同様に,その恩恵を受けることは可能だと考えた. 本研究では,高齢者のフレイル予防に繋がる非対面式のプログラムを立案し,その有効性を検証する.さらに費用対効果の点からもそのプログラムの可能性を探り,従来,対面で行われてきた方法の補完・代替策となり得るのかを明らかにする.
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研究実績の概要 |
本課題では,地域在住高齢者が非対面式の支援プログラムでも,フレイル発生の予防が可能か検証することを目的としている.令和5年度は前年度の取り組み内容を踏まえて,主に2つの取り組みを実施した.まず複数都道府県の研究協力者を通じて,地域在住高齢者を対象としたアンケート調査を実施した.その結果,新型コロナ感染症に対する感染不安を抱える者が半数を占めること,地域に関係なく社会関連性指標のスコアには,困ったときに助けてくれる友人の存在が重要であることが示唆された.またどのような物的環境が社会関連性指標に対して関連するのかを検討した結果,近隣に安全に歩くことができる場所があることが有意な項目として抽出された. また,通いの場を利用する地域在住高齢者を対象とした,健康関連QOLの調査結果から健康状態や生活の質を評価する指標として広く用いられ,医療経済評価においても重要な役割を果たす効用値を求めた.さらに前期高齢者と後期高齢者の効用値について,男女別に基準範囲を検討した.その検討でブートストラップ法を用いて効用値の平均値および95%信頼区間を求めた.その結果,前期高齢者よりも後期高齢者の方が効用値は低値となり,男性よりも女性において低値となりやすいことを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
通いの場の開催責任者の高齢化が進み,世代交代が進まず休止となる通いの場が複数発生している.そのため,ICT機器を導入したサポートの導入が進まない状況が続いている.新たに対象者を募り,協力関係を築いているため,次年度は新たなグループをサポートし,本課題を遂行する予定ではあるが,上記区分と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
先に示した通り,新たな協力者を募り,連携協力関係を築いており,運動機能の測定,非対面式の支援を展開する予定としている.またこれまでの経緯を踏まえて,連携先を増やすための広報活動も続けており,現在進行形で複数地区の保健師,通いの場の運営者と情報交換を進めている. 参加グループの数をさらに増やせた場合は,これまでに実施した検証の結果を踏まえて,用いるICT機器を慣性計測装置とするグループと,動画解析による運動機能評価のグループとで構成し,それぞれの利点と課題を抽出することも検討している.支援開始前後で体力や運動機能の測定,健康関連QOLを評価することとしている.
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