研究課題/領域番号 |
21K10348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
神原 容子 お茶の水女子大学, ヒューマンライフサイエンス研究所, 特任助教 (90894791)
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研究分担者 |
三宅 秀彦 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (40297932)
佐々木 元子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (90725665)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ゲノム医療 / 医療経済 / 経済的困窮 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム医療は進展が著しく、実臨床に活用する場面も急速に拡がっている。ゲノム医療は有用であるが高額な医療負担が発生する。現在の日本では、誰もがゲノム医療を受けられる経済的な仕組みは構築されているとは言えず、選択肢が限定される可能性がある。本研究はゲノム医療における費用負担配分に着目し、ゲノム医療の実施の妨げになる要因の調査を行う。ゲノム医療における費用配分の問題点から生じる倫理的課題を明らかにし、ゲノム医療を必要とする者が等しく受けられるよう体制構築について提案する。本研究の成果は、国民全体がゲノム医療の恩恵を受け、さらに医療資源の配分の適正化と効率的なゲノム医療の実施に寄与すると考えられる。
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研究実績の概要 |
ゲノム医療が実臨床に活用される場面が急速に拡がっている。ゲノム医療は有用であるが、高額な医療負担が発生するため、日本では誰もがゲノム医療を受けられる経済的仕組みが構築されているとは言えない。本研究では、ゲノム研究における費用負担配分に着目し、ゲノム医療の実施に妨げになる要因の調査を行う。本研究の成果は、国民全体がゲノム医療の恩恵を受け、さらに医療資源の配分の適正化と効率的なゲノム医療の実施に寄与すると考えられる。 令和4年度は、「患者の経済的困窮がゲノム医療の提供にどのように影響するか」をテーマとし、医療現場においてゲノム医療に携わる専門家が抱える問題点や実際の対応をゲノム医療の専門家から聴取し、ゲノム医療に関する費用負担の実態を明らかにすることを目的とした。ゲノム医療の専門家である臨床遺伝専門医指導医、臨床遺伝専門歯科医指導医および認定遺伝カウンセラーを対象とし、無記名自記式の質問紙調査を実施した。質問項目は、経済的困窮者へのゲノム医療の情報提供・提供、患者の経済的背景から提供できなかった経験、経済的困窮を理由に診療に困難や葛藤が生じた経験・経済的困窮に関する意見等、全29項目とした。調査期間は2022年11月1日~12月7日とし、質問紙は650名に送付し、265名から回答を得た(回収率40.8%)。回答者の約6割は経済的困窮者へのゲノム医療の情報提供・提供について、施設の方針は定まっておらず、医療従事者に委ねられていた。ゲノム医療の支払困難者は生活保護受給者以外にも及んでいたが、回答者は生活保護受給者よりもゲノム医療の提供に消極的となる傾向があった。保険診療や小児領域では困難が少なく、自費診療では困難が多かった。ゲノム医療の提供について“経済的困窮があっても提供すべき”“経済的理由は提供しない理由となる”などの意見があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度に実施した、ゲノム医療の専門家を対象とした質問紙調査では、質問紙作成にあたり先行研究がなく、成書やウェブ資料を参考に質問項目の原案を作成した。さらに研究協力者や認定遺伝カウンセラーなどへのパイロット調査を行い、質問項目の妥当性の検討に多くの時間を要した。研究対象者を臨床遺伝専門医指導医、臨床遺伝専門歯科医指導医および認定遺伝カウンセラーとしたことで、高い回収率が得られた。調査結果は第47回日本遺伝カウンセリング学会学術集会へ演題登録を行い、同時に論文化の作業も進めている。この調査結果に基づき、後続研究として一般市民を対象とした調査を実施する計画であるが、令和4年度内は質問項目の検討にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に、一般市民を対象とした調査を行う。民間のリサーチ会社に委託し、一般市民1,000人を対象にウェブ調査を実施する。調査項目に生活環境、ゲノム医療の認知度・印象、ゲノム医療への支払いの許容金額、ゲノム医療を断念した経験などを含める。質問紙票原案は内容の妥当性の検討を行った後にリサーチ会社と調整後に調査を実施する。データは統計解析ソフトなどを用いて記述統計および要因分析を行い、一般市民におけるゲノム医療の実施に影響する経済的事項、倫理的課題を検討し明らかにする。質問紙作成とデータ解析には研究代表者、研究分担者、研究協力者に大学院生の協力も得る。 令和5年度後半には、遺伝学的検査を受託する衛生検査所へのインタビュー調査を予定している。検査会社・検査所3か所程度を訪問し、インタビュー調査を実施する。調査項目には、遺伝学的検査の受注件数、解析作業に要する人員数、作業内容と価格の採算などの意見を含める。必要に応じてインタビュー対象者を追加する。インタビューガイドの原案は妥当性の検討を行った後、研究代表者がインタビューを行う。その内容は質的分析を行う。さらに、医療経済学の専門家などからゲノム医療の経済的格差について意見を聴取する。インタビューガイドの原案の妥当性の検討を行った後、研究代表者がインタビューを行う。その内容は質的分析を行う。 研究成果については、遺伝関連学会の学術集会で発表し、論文化も行う。
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