研究課題/領域番号 |
21K10361
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
原田 芳巳 東京医科大学, 医学部, 准教授 (90317884)
|
研究分担者 |
大滝 純司 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (20176910)
三苫 博 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (20453730)
平山 陽示 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (30246285)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 医学教育 / 医療面接 / オンライン / 共感 / 模擬患者 / コミュニケーション / 混合研究 |
研究開始時の研究の概要 |
医療におけるコミュニケーションでは患者の立場に立って理解するように努める共感的態度が特に大切である。試験でも医学生が「共感しているか」を模擬患者(SP)や教員が評価している。我々は患者目線での共感性の評価表を作成してきた。 一方、情報通信機器の普及や感染症の拡大のためにオンライン診療が急速に拡大しつつある。予備調査ではオンラインでの医療面接では対面とは異なる「共感」の評価が必要であると示唆された。 オンラインでのSP参加型医療面接実習を通して我々の開発した対面での医療面接の評価表の検証を行う。さらに質的・量的研究を行い、オンライン医療面接での共感性の教育、評価基準を確立する。
|
研究実績の概要 |
【緒言】我々は、医療面接実習における共感性の評価について多様な言語的・非言語的因子が影響していることを明らかにした。情報通信技術の急速な進歩に伴ってオンライン医療面接での共感性の評価基準の確立が急務で、対面とは異なる基準が必要になる可能性がある。2022年にオンライン医療面接実習で行った質問紙調査からは、共感の言葉に確認の言葉や態度が加わると共感してくれたとSPが感じる事が示唆された。23年には実習が対面に戻った為、オンラインと対面の実習での違いについて検討した。【方法】臨床実習中のSP参加型医療面接実習では、各実習グループにつき2名ずつが医師役を担当している。22年は本実習をオンラインで、23年は対面で行った。これらの実習における学生の医療面接の内容に関する感想について、我々が以前に開発した質問紙を用いて実習終了後にSPに回答を求めた。回答は5段階Likert尺度を用いて、Spearmanの順位相関係数で検討した。【結果】23(22)年にのべ30(21)名のSPから回答が得られた。「全体を通して共感してくれた、と感じましたか」に対する相関は、「共感の言葉が聞かれましたか」、「態度が適切でしたか」の2項目で強く(やや強く)、「話したい事を言えましたか」、「声の大きさやわかりやすさは適切でしたか」、「視線を合わせてくれましたか」の3項目でやや強く(弱く)、「「冒頭でよく話をきいてくれた」と思いましたか」で弱かった(ほとんどなかった)。Cronbachのα係数は0.870(0.657)であった。【考察】面接全体を通してSPが感じた共感と、面接の各要因についてのSPからの感想との相関は、対面よりもオンラインで弱い傾向にあり、オンラインでは今回使用した質問紙では把握できていない、より広いコミュニケーションの因子が影響することが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医学倫理審査の時間がかかり、開始がやや遅れた。新型コロナウイルス感染症対策の変更に伴って医療面接実習がオンラインから対面での実習となり、当初の研究計画通りの継続が困難となった。
|
今後の研究の推進方策 |
医療面接実習がオンラインから対面に変更されたため、オンライン医療面接を経験した模擬患者の対面との違いについて検討した。今後、結果は日本医学教育学会大会などで発表の予定である。
|