研究課題/領域番号 |
21K10363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
ガテリエ ローリン 国立研究開発法人国立がん研究センター, その他部局等, 研究員 (10875610)
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研究分担者 |
松田 智大 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (60370954)
東島 仁 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (80579326)
シャルヴァ アドリアン 順天堂大学, 国際教養学部, 講師 (00739716)
勝井 恵子 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 講師 (80767468)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 患者参画 / 定量化 / 国際標準ツール / 日欧 / がん / 臨床試験 / 評価ツール / 臨床研究 / がん医療 |
研究開始時の研究の概要 |
欧州委員会(EC)および欧州制約団体連合会(EFPIA)の官民パートナーシップが設立したIMIは、2017年に「PARADIGMプロジェクト」を立ち上げ、「患者参画の達成度を定量的に評価のメトリクスツール」を作成した。本邦においても、個々の患者エキスパートや患者団体は意欲的に活動しているものの、その達成度を客観視する指標がないことから、活動の方針の決定や振り返りに苦慮している実情がある。本研究では、がん患者及びがん患者団体に焦点を当て、「患者参画の達成度」を定量的に評価するメトリクスツールを日本に導入し、欧州での実施状況と比較することで、患者参画の促進および効率化を図ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
3年目の主な活動は以下の通り:ユーザーフレンドリーな新しい患者評価・比較ツールを改良し、最終化した(主な簡単な質問:科学文献で利用可能なスケーリングシステムを使用した2次元マトリックス8段階×5レベル)。ツールの日本語訳を専門家と検討した。 調査対象者の抽出基準は以下のとおりとした:①がんの種類:5大がんと2希少がん、② 研究スポンサー:アカデミア、③研究期間 2018年~2022年、④ 対象地域:日本と欧州4ヵ国、⑤公開データベース:欧州:EudraCT、日本:UMIN、jRCT)。公開データベースに登録されている治験責任医師のメールアドレスに質問票を送付した。より多くの回答を得るため、6月14日に開催された欧州癌研究所連合(OECI)の年次総会に招待された。アンケートに回答しなかった人にはリマインダーを送った。データ収集は、日本では6月末までに、ヨーロッパでは10月までに完了した。このステップの後、2024年1月までデータ解析が行われた。さらに、欧州と日本の専門家とのディスカッションを並行して行い、結果をよりよく解釈し、新たな方向性を提案した。多くの専門家が、研究の早い段階から患者の専門家を参加させることの重要性を強調した。さらに、3つの異なるデータベース(EudraCT、UMIN、jRCT)からデータを取得し、比較できるようにするため、データの専門家を雇い、研究責任者または代理人の名前とEメールアドレス、がんの種類、臨床試験の種類とフェーズ、国など、これら3つの公的データベースで利用可能なすべての関連情報を体系的に抽出し、一元化した。データの管理と解析は計画通りに行われた。プロジェクトの発表は、9月に横浜で開催された日本癌学会で行われた。ASCOは2月にプロジェクトの抄録提出を承認した。演題登録とポスター発表の準備は予定通り進められたが、かなり時間がかかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集は日本では順調に進んだが(6月末までに半分以上の結果が出た)、欧州では非常に遅れた。プロジェクトを前進させ、より多くの回答を得るために、6月のOECI(フランス・パリ)で全体口頭セッションが行われた。その際、主要な利害関係者との交流により、欧州の状況や相違点(欧州諸国間の法的、文化的、地理的)をよりよく理解することができた。多くのOECI参加者(EudraCTの範囲外)が、このプロジェクトと患者参加に関心を示した。欧州の回答者の締め切りは2023年10月末に設定した。 3つの異なるデータベース(EudraCT、UMIN、jRCT)からデータを取得し、比較できるようにするため、データ専門家を雇い、治験責任医師または代理人の名前とEメールアドレス、がんの種類、臨床試験の種類とフェーズ、国名など、これら3つの公的データベースから利用可能なすべての関連情報を体系的に抽出し、一元化した。データの管理と解析は計画通りに進んだ。 学会への出席も順調に進んでいる(2024年6月のASCO年次総会での演題発表を承認された。
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今後の研究の推進方策 |
まずはASCO会議への準備(ポスター発表と口頭発表資料)をする。また、ASCOのGlobal Oncology Community of Practiceから、2024年5月31日に開催される初対面イベントでの口頭発表の招待状が届いた。学会への出席、ポスター発表、口頭発表に集中し、世界中の出席者や専門家から有意義なフィードバックやアドバイスを得る予定である。次のステップでは、原稿の作成(データ分析、考察、結論の最終化)に取り組み、このプロジェクトから得られた成果をさらに深く掘り下げるために、次の助成金申請の準備をする。
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