研究課題/領域番号 |
21K10380
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
脇坂 浩之 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (30304611)
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研究分担者 |
山田 啓之 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00403808)
金澤 知典 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (50777133)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アルコールパッチテスト / サーモグラフィー / 分光測色計 / ALDH2 / ADH1B / サーモグラフィ / 測色計 |
研究開始時の研究の概要 |
食道癌や頭頚部癌といったがんのリスクファクターであるALDH2低活性のスクリーニング法であるアルコールパッチテストの新たな客観的な評価法を開発するために、パッチテスト時の皮膚変化を測色計やサーモグラフィーによって測定し、定量的な評価が可能か否かを検討する。さらに、アルコールの分解に関連するALDH2およびADH1Bの遺伝型組み合わせの9タイプ毎のそれぞれの皮膚色変化パターンを定量的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、引き続き研究対象者の募集とデータの収集を進め、2023年3月までに、2022年度に予定していた40名(2021年度からの総計69名)の対象者を得ることができた。同対象者に対して、アルコール分解能に関する遺伝子検査およびアルコールパッチテストを行い、パッチテスト時の皮膚温度の変化をサーモグラフィーで、皮膚色の変化を測色計で計測することが予定通り出来た。 今年度までの測定結果(69名)をまとめると、遺伝子検査結果は、ALDH2活性に関しては活性型が47例、低活性型が19例、非活性型が3例であった。ADH1B活性に関しては、高活性型36例、活性型29例、低活性型4例であった。アルコールの代わりに蒸留水を用いたコントロール群(n=63)、アルコール暴露を行ったALDH2活性群(ALDH2活性、47例)およびALDH2低活性群(ALDH2低活性+非活性、22例)で比較検討すると、サーモグラフィーの結果については、パッチ除去直後のパッチ部の温度が三群いずれにおいても、暴露前よりそれぞれ平均3.1度、5.4度、5.7度低下していた。またこの低下は、いずれの群でも、徐々に小さくはなった(皮膚温度の上昇がみられた)ものの、パッチ除去15分後でもいずれの群のパッチ部の温度も暴露前の温度より低くなっていた。また、測色計による皮膚色変化に関する測定結果では、ALDH2低活性群のパッチ部の皮膚色の赤色変化をパッチ除去前の皮膚色のa*値からの変化量(Δa*)の上昇として検出が出来ており、ALDH2活性群と低活性群の両者間の比較では、パッチ除去3分後から15分後までALDH2低活性群Δa*の有意な上昇がみられている。一方で、パッチ除去直後から3分間程度の間はいずれの群もΔa*が低下する傾向があり、パッチ部の皮膚温度低下との関連性についての検討も進めていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象者の募集、説明会の開催、同意書の取得、検査と進め、2023年3月までに予定していた60名を上回る69名(2021年度:29名、2022年度:40名)の対象者を得ることができた。また、ALDH2遺伝子活性さらにADH1B遺伝子活性に関する遺伝子検査を実施し、アルコールパッチテストを行うことができた。アルコールパッチテストは、肉眼判定およびサーモグラフィー・測色計を用いた皮膚の変化を測定した。得られたデータを解析し、皮膚温度とALDH2遺伝子型さらにADH1B遺伝子型との関連性について検討継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究対象者の募集を行い、研究を進める。2023年度は、遺伝子検査およびアルコールパッチテストを60名以上行う予定である。2021年度から2022年度は、コロナウイルスの影響により研究対象者を制限しており、これまでの研究対象者には最も希少な遺伝子組み合わせのタイプ(ALDH2非活性、ADH1B低活性)が含まれていないが、希少タイプ以外のタイプについての中間解析を進めている。今後は、希少タイプの対象者を得るために研究対象者の募集方法についても検討する予定である。
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