研究課題/領域番号 |
21K10391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮内 尚子 東北大学, 医学系研究科, 技術補佐員 (60596162)
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研究分担者 |
小林 記緒 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10803885)
小林 枝里 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70634971)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 凍結胚移植 / 不妊治療 / 胎盤 / 低分子RNA(miRNA) / 3)低分子RNA(miRNA) |
研究開始時の研究の概要 |
現在、我が国では生殖補助医療(ART)が普及しており、そのおよそ70%は凍結胚移植法(FET)が利用されている。しかし、発達障害との関連も指摘されている。本研究では、前向きコホート調査のデータを活用し、FET由来出生児の出生状況と身体的・神経行動学的発達状況を、児の成長マイルストーンを踏まえ照合し、徹底的な縦断解析を実施する。また、FET出生児の出生後の胎盤細胞を用い、発達や精神行動に影響を及ぼすインプリンティング遺伝子のエピゲノム解析を行い、科学的根拠に裏付けされた遺伝的安全性の評価とリスク要因について検討する。
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研究実績の概要 |
近年の生殖補助医療(ART)では、新鮮胚移植より凍結胚移植(FET)が主流となっている。FET法は、妊娠率の向上以外にも様々なメリットが報告されている。しかし、FET由来の出生児では、巨大児や癒着胎盤の頻度が高いと報告されており、児への安全性評価は未だ正確に行われていない。一方、エピジェネティックな分子機構として、胎盤の発育、成長に重要な役割を果たす胎盤特異的マイクロRNA(miRNA)の存在が知られている。このmiRNAは、21~25塩基の小分子RNAで、特定の遺伝子に結合することで、遺伝子の発現を抑制する。また、母体血中に胎盤特異的miRNAの存在が知られており、母体‐胎盤(胎児)間の子宮内環境を評価する上で重要なマーカーにもなる。本研究では、新鮮胚とFET由来の満期胎盤のmiRNAの発現量について網羅的解析を行い、比較した。その結果1)FET由来胎盤にユニークなmiRNAの発現が認められた2)ゲノムインプリンティング(GI)領域(C19MC)のmiRNAとDNAメチル化に影響が認められた3)有意な発現量の変化を認めた遺伝子の生物学的機能解析では、胎児、胎盤への成長に関与する遺伝子がリストアップされた4)パスウェイ解析より、2型糖尿病や様々な癌と関連する経路が明らかとなった。ARTによる凍結胚操作により、miRNAを含むエピゲノムに変異が生じ、エピゲノムにより遺伝子発現が調節されているGI遺伝子に変化がみられることが示された。今後、このエピゲノムの変化について、その影響が児の発育や発達にどのような影響をもたらすのかどうか、長期的なFollowが必要と思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今後、FETにおけるエピゲノム変化が出生児の発育や発達にどのような影響をもたらすのか、中長期的な調査が必要と思われる。そのため、大規模で長期間実施される疫学調査は、有益なものとなる。
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今後の研究の推進方策 |
FET出生児の発育、神経行動学的な発達について、症例・対照研究手法を用い、両親の年齢、BMI、生活環境要因等の交絡因子について補正し、確実に検証する。また、FET出生児の胎盤について、有意差を認めるGI遺伝子のDNAメチル化とmiRNAは、ターゲットとなる遺伝子を予測し、出生児の健康リスクの要因となるかどうか検討を加えていく。
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