研究課題/領域番号 |
21K10392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
唐島 成宙 金沢大学, GS教育系, 准教授 (30801584)
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研究分担者 |
南保 英孝 金沢大学, 電子情報通信学系, 准教授 (30322118)
大坂 一生 富山県立大学, 工学部, 准教授 (90550244)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ステロイド / 腸内細菌 / 高血圧 / アルドステロン |
研究開始時の研究の概要 |
高血圧症は、心血管病による死亡の重大な危険因子である。高血圧は、塩分の影響を受けやすい食塩感受性高血圧とそうでない抵抗性高血圧に分類されるが、その機序は明らかになっていない。申請者は腸内細菌叢が複数の代謝経路を介して、塩分感受性制御ネットワークを形成する可能性を示した。今回、マルチオミクス、人工知能解析技術を用いて、①疫学研究、②動物実験、③培養細胞実験を行い、腸内細菌叢―ステロイド・代謝ネットワークを介した食塩感受性高血圧の発症機序の解明することが目的である。これにより、食塩感受性の個体差を考慮した血圧管理の精密医療や新たな心血管病の予防につながり健康寿命の延伸に貢献することが期待される。
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研究実績の概要 |
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)は内分泌系の調節機構であり、高血圧、腎疾患、心血管疾患など様々な疾患と関連している。腸内細菌叢(GM)は、主に動物モデルにおいて、様々な疾患と関連している。しかし、我々の知る限り、ヒトにおけるRAASとGMの関係を調べた研究はない。本研究では、全身のRAASとGM属との関連、およびそれらの因果関係を評価することを目的とした。研究対象者は、志賀町の40歳以上の一般住民377人である。血漿レニン活性(PRA)、血漿アルドステロン濃度(PAC)、アルドステロン-レニン比(ARR)、GM組成を16S rRNA法を用いて解析した。参加者はPRA、PAC、ARRの値によって高群と低群に分けられた。U検定、共分散の一元配置分析、および効果量の線形判別分析を用いて2群間で重要な細菌属を同定し、ランダムフォレストを用いた2値分類モデリングを用いて特徴の重要度を算出した。その結果、Blautia、Bacteroides、Akkermansia、BifidobacteriumがRAASパラメータと関連していた。線形非ガウス非周期モデルを用いた因果推論解析により、SBPを介したPACに対するBlautiaの因果効果が明らかになった。これらの結果は、ヒトにおける全身性RAASとGMとの関連を強化するものであり、GMを標的とした介入は、高血圧や腎疾患の新たな予防法や治療法を提供する可能性がある。 今後は、ステロイドメタボロミクスやショットガンシーケンスによる腸内細菌叢の網羅的な測定結果を人工知能解析によってより詳細に検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、塩感受性ネットワークの一つであるレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)は内分泌系の調節機構と腸内細菌との関与をHypertension Researchに報告することができた。今後、ステロイドミクス解析やべつの塩感受性ネットワークの網羅的な解析によってよりネットワーク同士の深い関与を検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
すでに、いくつかの塩感受性ネットワークの関与を認めており解析を進めている。2024年度内に論文投稿予定である。
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