研究課題/領域番号 |
21K10394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 京都府立医科大学 (2023) 京都大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
奥田 裕子 京都府立医科大学, 医学部, 研究員 (30709663)
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研究分担者 |
S Youssefian 京都大学, 医学研究科, 教授 (00210576)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 小児四肢疼痛発作症 / 疼痛 / 寒冷 / SCN11A / SCN10A / 寒冷暴露 / チャネロパチー / SCN11A / SCN10A / モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動による疼痛発作は高齢者の四肢大関節慢性疼痛や糖尿病性疼痛で多く見られる現象である。申請者らは、寒冷、悪天候などによる環境変化が疼痛誘発要因となる家族性四肢疼痛発作症を解析し、疼痛伝達経路の神経細胞に発現するNav1.9をコードするSCN11A遺伝子変異(p.R222S/H, F814C, F1146S)が疼痛発症の原因であることを見出し、本疾患を【小児四肢疼痛発作症】と命名した。本疾患のNav1.9変異を持つマウスにおいても、寒冷による疼痛増加は再現されていることから、本モデルマウスを用い、寒冷暴露による神経細胞の興奮性を検討することで温度変化に伴う神経原性疼痛の発生メカニズムを解明し、疼痛治療への応用、貢献を目指す。
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研究成果の概要 |
小児四肢疼痛発作症は、ナトリウムチャネルサブタイプの一つであるNav1.9をコードするSCN11A遺伝子変異が疼痛発作の原因である。そこで野生型およびSCN11A変異型を持つノックインマウス(RSマウス)において活動電位を構成するNav1.8, 1.9の発現パターンに着目し、発現変化と活動電位の関係を検証した。 Nav1.8/Nav1.9変異の神経細胞での発現変化を検討するため免疫染色を行ったが、各抗体の特異性が乏しく、現在、交差性を検討中である。一方で、寒冷暴露によって疼痛誘発をしたRSマウスに新規Nav1.7-1.9阻害剤を投与し、疼痛行動および疼痛経路の過興奮が抑えられるという結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「小児四肢疼痛発作症」は、寒冷による疼痛増悪という特徴を持つ。この特徴はモデルマウスでも再現され、本特徴を解析することは疾患患者の疼痛緩和、薬剤開発につながると考えた。疼痛経路に発現するナトリウムチャネル亜型であるNav1.9原因変異とともに疼痛伝達に関与するNav1.8の相互作用を検討したが、抗体交差性について引き続き検討の余地がある。一方でNav1.7-1.9を阻害する新規疼痛阻害薬の薬効を本疾患モデルマウスで調べたところ、寒冷暴露による疼痛行動、および疼痛経路の神経活動の過興奮が抑えられた。よって寒冷暴露による患者の発作性疼痛増悪は本薬剤で抑制される可能性を示唆した。
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