研究課題/領域番号 |
21K10410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
淺田 安紀子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (80622753)
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研究分担者 |
田中 未紗 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (90910472)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 危険ドラッグ |
研究開始時の研究の概要 |
規制薬物の構造を基に設計された『危険ドラッグ』の乱用をはじめとして、薬物乱用は憂慮すべき社会問題のひとつである。本研究では、そのなかでも中枢神経抑制作用を有するオピオイド系薬物を対象に薬理活性の評価及びヒト代謝物の同定を実施する。さらに代謝物・分解物についても薬理活性評価を実施し、生体内での構造変化をも考慮した薬物の危険性について総合的な評価を行う。
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研究実績の概要 |
既存の規制薬物に類似した化学構造を有する『危険ドラッグ』の乱用は、大きな社会問題のひとつである。本研究では、危険ドラッグの中でも中枢神経抑制作用を有するオピオイド系薬物を対象として、複数の系による薬理活性の評価及び分解物・ヒト代謝物の同定を実施する。さらに分解物・代謝物についても薬理活性評価を実施し、生体内での構造変化を考慮したオピオイド系薬物の危険性について総合的な評価を行うことを目的としている。 前年度までにヒトリコンビナント受容体を用いた機能評価試験(以下、A試験)によって受容体アゴニスト活性を確認したオピオイド系薬物について、原理の異なる評価系(以下、B試験)を用いた場合にアゴニスト活性が測定できないという問題が発生しており、その解決を試みていた。種々の検討の結果、評価系に使用している細胞の特定のロットに問題があることが示唆された。 今年度は問題があるとされた細胞とは異なるロットの細胞を用いて再度アゴニスト活性の測定を実施した。結果を比較したところ、細胞のシグナル応答についてロット間で明確に差が生じることが判明した。すなわち測定の問題は細胞のロットに起因するものであると考えられたため、今後当該ロットを使用しないこととした。 また、これまでにA試験とB試験で得られた陽性対象化合物のEC50値を比較すると、B試験のほうが1000倍程度大きな値となるが、これは原理の違いによるものであり、活性の有無・強弱について判断することを妨げるものではない。両方の試験系で活性測定を行った化合物4種類について、陽性対象に対する化合物の活性の比を算出し、試験系の違いによる差を調べた。この値は0.5~20倍の範囲に収まっており、B試験は受容体機能評価として十分利用可能であると判断した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
評価系についての問題解決まで時間を要したため、十分な量の活性評価を実施できなかった。 また、研究代表者が年度中に別業務に携わる必要が生じ、当初想定していたエフォート分の研究を進められなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きオピオイド系薬物のヒトオピオイド受容体活性能について、評価数を増やしていく。並行して、これまで評価を行ってきたオピオイド系薬物の中から複数のモデル化合物を選定し、酸・塩基条件下での分解物生成について検討を実施する。構造に変化のあった薬物については、可能であれば精製もしくは化学合成により必要量を確保したうえで活性評価を検討する。
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