研究課題/領域番号 |
21K10415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
阿部 遥 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (90554353)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アフリカ / ガボン / 野生動物 / 蚊媒介性ウイルス / メタゲノム解析 / ウイルス / 宿主 / 次世代シークエンサー |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ジカ熱の世界的な流行やデング熱の感染拡大を始め、野生動物由来の蚊媒介性ウイルス感染症は公衆衛生上の大きな問題となっている。しかしながら、ウイルスを維持し新たな感染源となり得る野生動物種は未だにほとんど明らかになっていない。それ故に、野生動物宿主の同定が新たな感染症対策を講じるうえで長年の重要課題となってきている。 本研究では、中部アフリカに位置するガボン共和国において野生動物に存在する蚊媒介性ウイルスを継続的かつ網羅的に解析し、これまで明らかになっていない野生動物宿主を同定することで、感染症対策強化に資する情報を得ることを目的としている。
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研究実績の概要 |
本年度は、ガボン共和国において採取した野生動物検体を用いてメタゲノム解析によりウイルスゲノムの網羅的検出を試みた。ダイカー、ヤマアラシ、げっ歯類などおよそ400個体から各種臓器を採取し核酸抽出後に次世代シークエンス解析を行った。その結果、いくつかの検体からデングウイルスを含む蚊媒介性ウイルスを検出し、また肝炎ウイルスやオルソナイロウイルスなど多数のウイルスを検出した。検出した蚊媒介性ウイルスのいくつかについてはサンガー法シークエンス解析を組み合わせることで全長ゲノム配列を取得した。特に、全長配列が得られたフラビウイルスの一つはBLAST解析によりヒトで病原性が報告されている種とゲノム配列の相同性が高いと判明したが、フラビウイルスにおいて同種とみなす基準である84%よりは相同性が低かったため、新種のフラビウイルスであると考えられた。従って、このフラビウイルスはヒト病原性が十分に想定される新種の蚊媒介性ウイルスであるという結論に至った。これらの研究成果から、ガボンの野生動物が有するウイルスの人獣共通感染症としてのヒト感染リスクが存在することを明らかにした。今後、野生動物検体から同定した蚊媒介性ウイルスの詳細な系統樹解析により、ガボンの野生動物内におけるウイルス維持・循環機構を推定するとともに、ウイルス表面抗原精製タンパク質を用いてヒト検体での血清学的調査を進めることでこれまでのヒト感染の発生の有無を確認する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次世代シークエンサーを用いた野生動物検体の解析が本年度でほぼ終了し、計画通り順調に進展している。また、いくつかの検体から蚊媒介性ウイルスゲノムを検出し、かつサンガー法を組み合わせることで全長配列を取得できたウイルスもあり、ガボン共和国の野生動物における蚊媒介性ウイルス感染状況およびウイルスの系統学的特徴が初めて明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
メタゲノム解析により検出された蚊媒介性ウイルスの系統樹解析を詳細に行うことで、ウイルスの由来やガボン国内への侵入時期を推定する。また、ヒト検体を用いた血清学的調査を行い、ヒトが野生動物由来ウイルスに感染した履歴を調査し人獣共通感染症リスクを明らかにする。
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