今後の研究の推進方策 |
【風疹ウイルスの体内からの排除に関連する免疫因子の解析】患者血清や末梢血単核球を使用し、サイトカイン類の誘導量を蛋白質・mRNAの発現解析で評価する。特にTH subset(TH1, TH2, TH17, Treg)活性の優位性を明確にするためinterleukin-2, 4, 5, 6, 10, 13, 19, 17, 21, 22, TNFα, TGFβ, IFNγの誘導量を市販のELISAキットやReal-time RT-PCR法にて測定する。また、末梢血単核球について、Flowcytometryを用いてTH1(CD4+, IFNγ+), Th2(CD4+IL4+), TH17(CD4+IL17+), Treg(CD4+CD25+FOXP3+)の存在比を明らかにする。上記により風疹ウイルスの体内からの排除の過程での細胞性免疫(TH1)又は液性免疫(TH2)の優位性、免疫応答のバランスを明らかにする。 【風疹ウイルス E1領域の準種解析】風疹ウイルスの抗原性に関与するE1領域を対象に次世代シーケンサーを用いた準種解析を行う。風疹ウイルスゲノムのレパートリーと存在比率を明らかにし、免疫学的圧力の存在下、非存在下での多様性の程度を明らかにする。 【風疹ワクチンによって誘導される抗体のパネル化とエピトープの決定】ヒト血液から網羅的に抗原に反応する抗体を作製しパネル化する。その中から、中和活性等を持つ機能性抗体を探索する。ワクチンが効果を発揮できない免疫学的弱者における感染防御や妊婦の予防的並びに急性感染の治療に使用できる抗体医薬品の開発に繋がる知見を得る。外部機関との共同で行う予定である。
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