研究課題/領域番号 |
21K10434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 国立水俣病総合研究センター |
研究代表者 |
山元 恵 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 部長 (70344421)
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研究分担者 |
中村 政明 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 部長 (50399672)
柴田 英治 獨協医科大学, 医学部, 教授 (90419838)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メチル水銀 / 母仔 / 体内動態 / 糖代謝異常 / 神経毒性 / 毒物動態 / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
メチル水銀の胎児期曝露におけるリスク評価・管理は、メチル水銀の健康影響に関する最も重要な課題の一つである。種々の病態下において、メチル水銀の体内動態は正常な生理状態と比べて著しく変化しうるため、これらの要因を併せ持つ病態下の妊婦におけるメチル水銀の代謝・動態や母児移行は解明すべき課題である。本研究は、糖代謝異常の妊婦におけるメチル水銀曝露のリスク評価・管理に資する研究基盤の確立を目的として、糖代謝異常モデルの妊娠マウスを用い、糖代謝異常の病態下におけるメチル水銀の代謝・動態(標的組織における吸収・分布・代謝・排泄)について解析を行う。
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研究成果の概要 |
肥満に伴う糖代謝異常の病態下の母仔におけるメチル水銀の組織移行の解明を目的として、高脂肪食の給餌による雌の糖代謝異常モデルマウス (HFD) を作製し、メチル水銀の各組織中への移行についてKp値により普通食給餌群 (Ctrl) と比較した。その結果、母親のKp値は、脳:Ctrl≧HFD、腎臓:Ctrl≒HFD、肝臓:Ctrl>HFD、血球:Ctrl≒HFD、胎仔のKp値は、脳:Ctrl≧HFD、腎臓:Ctrl>HFD、肝臓:Ctrl>HFD、胎盤:Ctrl≧HFDであった。これらの知見は、肥満に伴う軽度の糖代謝異常の病態下におけるメチル水銀の標的器官への分布や感受性の理解に役立つと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メチル水銀の胎児期曝露におけるリスク評価・管理は、メチル水銀の健康影響に関する最も重要な課題の一つである。本研究は、メチル水銀の母仔における組織移行へ及ぼす肥満や糖代謝異常の影響の解明を目的として、高脂肪食を給餌した雌の糖代謝異常モデルマウスにおけるメチル水銀の組織移行について、普通食給餌群との比較・解析を行った。その結果、高脂肪食の給餌群におけるメチル水銀の脳(特に重要な標的器官)への移行は、普通食の給餌群と比べて、母仔ともに同程度~やや低めの傾向を示した。これらの知見は、肥満に伴う軽度の糖代謝異常の病態下におけるメチル水銀曝露に対する感受性の理解に役立つものと考えられる。
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