研究課題/領域番号 |
21K10437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
珍田 大輔 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (60637544)
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研究分担者 |
中路 重之 弘前大学, 医学研究科, 特任教授 (10192220)
下山 克 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (50312492)
飯野 勢 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90814343)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 胃酸分泌能 / 腸内細菌叢 / 口腔内細菌叢 / 血清ペプシノーゲン濃度 / ヘリコバクターピロリ感染 / 食事習慣 / 生活習慣 |
研究開始時の研究の概要 |
以前は、唾液中の口腔細菌は胃を通過するときに胃酸によって殺菌されるので腸内に定着しないと考えられていたが、近年、口腔内細菌の腸内細菌叢への影響を介した全身の健康への関わりが示され、腸内細菌叢の構成異常は、腸管疾患だけではなく、生活習慣病との関連が指摘されている。 本研究では、約1,000名の集団健診受診者を対象に、胃酸分泌能を評価し、その程度の違いや制酸剤内服による胃酸分泌抑制が口腔内と大腸の細菌叢の関連や恒常性に与える影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2021年11月16日から行われた弘前大学大学院医学研究科の岩木プロジェクトに参加し、約500人分の血清および便サンプルを収集した。当初2021年5月に約1000名に対して行う予定だったが、コロナウイルス蔓延のため延期となり、規模縮小の上の実施となった。 採血された血清は同プロジェクトで測定される検査項目の他に、当研究で用いる血清ペプシノーゲン濃度と抗ヘリコバクターピロリIgG抗体の抗体価を測定した。また、便サンプルからは便中ピロリ菌抗原検査を施行し、これらの結果からピロリ菌の未感染者と感染者を診断した。また血清ペプシノーゲン濃度から胃粘膜萎縮の程度を診断した。こちらのデータについては2023年4月に行われた日本消化器病学会にて発表した。 腸内細菌叢については糞便を用いて、口腔内細菌については舌苔を用いて次世代シークエンス解析とテクノスルガ・ラボ微生物同定データベース推定(16SrDNA部分解析)により評価した。また、参加者を対象に既往歴や生活習慣アンケート調査、栄養調査、嗜好調査の他に、当研究に関連するピロリ菌除菌の有無や時期、内服薬、乳製品、プロバイオティクスやプレバイオティクスの摂取についての問診も全対象者で確認した。その結果から食事が口腔内細菌叢および腸内細菌叢へ与える影響についてNutrients. 2024;16(4):524.にて日本食スコア(mJDI12)が高い参加者は食物繊維の摂取量が多いことが腸内細菌叢内で酪酸産生細菌の増加に寄与していることが示唆された。 また、口腔微生物叢において Allpprevotella のみが減少していた。 今後はさらにこれらの得られた結果をもとに、ピロリ菌の現感染者と未感染者や胃酸分泌能の違いが口腔内細菌叢および腸内細菌叢へ与える影響を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初2021年5月に行う予定だった岩木プロジェクトがコロナウイルス蔓延のため、延期となり、規模縮小の上、半年後の11月に行われたため、全体の調査結果の判明も遅れている。 データの結果や解析も当科で行ったピロリ菌検査以外の全体の結果については2023年2月に終了したばかりである。 現在学会発表や論文報告の準備を行っているが、参加者が目標に満たなかったため、2024年度に岩木プロジェクトに参加し、追加調査を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
口腔内細菌叢および腸内細菌叢の解析終了後、速やかに胃酸分泌能やヘリコバクターピロリ感染との関連について検討を行う予定である。 また患者背景との関連についても検討するにあたり現在学会発表や論文報告の準備を行っているが、参加者が目標に満たなかったため、2024年度に岩木プロジェクトに参加し、追加調査を行う予定である。
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