研究課題/領域番号 |
21K10444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
谷村 晋 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60325678)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 循環器疾患 / 空間疫学 / 飲料水 / 硬度 / 地理空間データ分析 / 水道水硬度 / 循環器疾患死亡 |
研究開始時の研究の概要 |
水道水硬度と循環器疾患死亡の間における関連の有無は今もなお未決着な課題である。本研究は新しいアプローチ(空間疫学の新しいモデリング手法)を用いてこの課題に取り組み、水道水硬度と循環器疾患(特に女性の急性心筋梗塞)死亡の関連を明らかにする。従来の研究と同様に既存の資料を用いた生態学的研究デザインを採用するため、従来の研究の問題点・限界を全て解消するものではないが、本研究による未決着問題の再検証は、解決に向けた大きな前進となる。
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研究実績の概要 |
飲料水の硬度が高いと循環器疾患死亡を予防するというエビデンスがあるが、疫学研究によって正負が反転するさまざまな結果が報告されている。本研究では、この未決着の課題に対する解決に資するために、水道水の硬度に着目した。飲料水の硬度を推定する方法を開発し、推定した曝露量と循環器疾患死亡の関連について、空間疫学手法を用いて検討を行っている。 本研究における最大の難所は、妥当な曝露量の推定であり、そのためには、浄水場ごとの水道水の平均硬度を配水地域住民に割り付ける処理と、集計地理単位が異なるミネラルウォーターなどの消費量との統合化を通じて妥当な推定曝露量を得る必要がある。本研究において、飲料水の硬度における曝露量の推定方法の開発を検討したが、想定よりも作業の難易度が高く、簡便な方法で代替するなど妥協が必要になった。推定された市町別平均飲料水硬度とミネラルウォーター消費量との統合化を検討し、また、循環器疾患死亡の地域集積性を検討するためのシステム構築を行った。分析単位である市区町村数は2千近くあり、近隣性を加味した地理空間データ分析は、一般的な統計モデリングに比べて、その計算コストが極めて高く、既存の手法よりも低コストなアルゴリズムの考案が必要であることが判明した。 今後は、循環器疾患の内訳について、層別分析(サブグループ分析)を中心に検討する。また、新しい交絡因子の候補として空間依存性のあるの共変量の追加的検討も行う。例えば、他分野で推定されたオープンデータ(平均日照時間や年平均気温など)の探索的検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予期しない複数名の教員の欠員など未曾有の業務環境悪化のため研究を進めることが困難であった。今年度より改善し、研究を再始動する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
循環器疾患の内訳に着目し、個別の疾患についてサブグループ分析を進め、また研究成果の論文公表に注力する。
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