研究課題/領域番号 |
21K10445
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 北里大学 (2022) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
松崎 慶一 北里大学, 医学部, 講師 (20709315)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | IgA腎症 / レジストリー / 診療実態調査 / 健康診断 / データベース / プレシジョン・メディシン / ビッグデータ |
研究開始時の研究の概要 |
IgA腎症は本邦における慢性糸球体腎炎のなかで最も多く、慢性に経過し多彩な臨床像をとるため正確な診療データ・予後データを収集したデータベースが求められている。本研究は医療データベースの統合した「IgA腎症データウェアハウス」を構築し、様々なエビデンスの創出を通じて個人の特性に応じたプレシジョン・メディシンに資する研究を目指す。
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研究実績の概要 |
乳児期から老年期までのあらゆる世代において健康診断が行われる我が国において、健診 が疾患の早期発見・早期治療に果たす役割は大きい。特に発達した検尿システムは自覚症状 に乏しい腎疾患、特にIgA腎症の早期発見・早期治療に大きな意義を持つ。IgA腎症を疾患の自然史の中で捉え、個人の特性に合わせた治療を行うためには、健康診断から疾患までを一塊に捉えたデータからのエビデンスが必要と考えられるが、健康診断などのデータと病院におけるデータの連携はほとんど行われていない。本研究では、健康診断などの「予防フェーズ」と疾患レジストリーなどの「疾病フェーズ」の2つのフェーズのデータベースを統合した「IgA腎症データウェアハウス」を構築し、診療実態調査や臨床経過モデルの構築、医療経済評価などに資するエビデンスの創出と、個人の特性に合わせた医療(プレシジョン・メディシン)が可能となるシステムへの発展を目指す。 令和4年度は昨年度に引きつづき、疾病フェーズのサンプルデータとしてIgA腎症に関連するレセプトデータのハンドリング・解析を行い、IgA腎症患者における処方傾向などを確認した。同時に、予防フェーズにおけるサンプルデータとして複数の健診データを取扱い、健康診断における尿所見陽性者は4年後にも尿所見が陽性となりやすいこと、持続する血尿は5年後における尿潜血および尿蛋白と関連しており、早期の糸球体腎炎をとらえている可能性があることをそれぞれ発表した。令和5年度においては、引きつづき予防フェーズ・疾病フェーズにおけるサンプルデータ解析を進める方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は予防フェーズ・疾病フェーズについての解析を中心に行い、健康診断に関連する複数の知見を得た。また、日本腎臓学会総会、日本腎臓学会東部学術集会に参加し、情報収集および研究者との議論をおこなった。一方、新規のデータ収集に関しては収集開始が遅れており、データウェアハウス構築には遅れがみられている。このため「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度においては予防フェーズ・疾病フェーズともに新規データの取得に着手し、構築したDBへのデータの挿入を行う。また、リアルタイムでデータ入力状況が確認できるシステム(IgA腎症研究ダッシュボード(仮))のプロトタイプを構築し、実データにおけるテストを行う。
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