研究課題/領域番号 |
21K10454
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
小俣 富美雄 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医師(非常勤) (70233616)
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研究分担者 |
五十嵐 中 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20508147)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 大腸癌 / 大腸ポリープ / 進行腺腫 / 免疫学的便潜血反応 / 感度 / 特異度 / 予測モデル / スクリーニング / 大腸内視鏡検査 / 免疫学的便潜血検査 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌による死亡は米国では減少してきているにもかかわらず、日本においては減少していない。米国で大腸癌による死亡が減少に転じた理由として、遺伝性大腸癌の周知や、大腸内視鏡検査を用いたスクリーニングの導入が考えられている。一方日本の対策型大腸癌検診では平成17年のガイドラインに従い、旧態依然として免疫学的便潜血検査(fecal immunochemical test [FIT])(2日法)が用いられている。本研究ではこの点に着目し、市町村などの単位において価値ある(より安価で効果的な)対策型大腸癌検診を導入することの妥当性を費用対効果分析も含めて検討する。
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研究実績の概要 |
2022年度には、研究計画書に添って、我々のグループが2020年に作成した大腸内視鏡検査と免疫学的便潜血反応検査(FIT)を受けた7074人の日本人のコホートを用いて、大腸癌、大腸腺腫に対するFITの1日法の診断能に関する検討を行った。診断能の検討には、それぞれの検査法の疾患に対する感度、特異度を計算した。Cut off値を30 microgram/g (150ng/ml)とした場合、大腸腺腫対する感度、特異度はそれぞれ、38%、78%、大腸癌に対する感度、特異度はそれぞれ、75%、71%であった。 また、同じコホートを使用して、異時性の進行腺腫に関して、喫煙の影響に関して、検討した。異時性の進行腺腫をアウトカムにした場合、低リスク腺腫、高リスク腺腫による影響に対して、喫煙は交互因子であることが示唆され、その背景にある病態の考察中である。 また、2021 年度に行った下記の外的妥当性の研究に関して、2023年の5月に米国で開催される消化器病週間で発表すべく抄録、ポスターの作成も行った。本研究により、2011年に作成した進行大腸腺腫の予測モデル(Eur J Gastroenterol Hepatol 2011; 23: 1036-41)の外的妥当性が検討された。大腸腺腫の予測に関しては外的妥当性が、示されましたが、進行腺腫の予測に関しては、病変の存在確率を多めにみつもってしまうことわかりました。従って、こちらの予測モデルに関しては今後費用対効果分析を行うにあたって、大腸腺腫に関しては利用可能であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝性大腸癌の予測ツールに関しては、症例数が少ない問題があり、少々遅れ気味ではあるが、その他の部分に関しては概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
複数のコホートを用いて免疫学的便潜血反応の診断能を検証する。また、喫煙の異時性腺腫の発生に対する影響も明らかにする。その上で、詳細な文献検索を行い、最終的な費用対効果分析を行う予定である。
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