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大気中オゾンがヒトの呼吸器および循環器系に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K10457
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

余田 佳子  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (80748434)

研究分担者 島 正之  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)
高木 洋  弓削商船高等専門学校, 情報工学科, 教授 (30171424)
伊藤 武志  弓削商船高等専門学校, 総合教育科, 教授 (10435472)
益崎 智成  弓削商船高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (30779905)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードオゾン / 個人曝露 / 健康影響 / 呼吸機能検査 / 血圧 / 呼吸機能
研究開始時の研究の概要

近年光化学オキシダント濃度は上昇傾向にあり、ヒトの健康に影響を及ぼすことが懸念されている。光化学オキシダントの健康影響はこれまで対象者の居住地近隣の測定局のデータを用いて評価したものが多く、個人曝露量を用いて解析したものはあまり知られていない。
本研究では、光化学オキシダントの主成分であるオゾン濃度を連続測定し、同時に健常な学生のオゾンへの個人曝露量も測定する。また眼や喉の症状を記録し、呼吸機能検査、血圧測定を繰り返して実施し、オゾン濃度の変化と健康に及ぼす影響を解明する。オゾン濃度と健康影響の関係を明らかにすることにより、高濃度時における注意喚起など健康影響の予防に資するものと期待される。

研究実績の概要

光化学オキシダントは、年々濃度が上昇しており、健康に及ぼす影響が深刻な問題となっている。本研究では光化学オキシダントの主成分であるオゾン濃度を測定し、呼吸器系や循環器系に及ぼす影響を解明する目的で実施した。
これまでオゾンと健康影響を評価する際に、近隣の測定局の濃度を用いて評価した研究が多く、正確な曝露量を測定出来ていない可能性があるため、本研究ではオゾン個人曝露量の測定を行った。調査は瀬戸内海の弓削島にある高等専門学校の学生23名にオゾン捕集用ろ紙を取り付けた小型のパッシブサンプラーを携行してもらい、個人曝露濃度を測定した。パッシブサンプラーは24時間ごとに交換を行った。捕集したろ紙はイオンクロマトグラフィーを用いて分析した。さらに目の痛み・かゆみなどの目の症状、鼻水が出る・鼻が詰まるなどの鼻の症状について毎日回答してもらった。得られた結果は線形混合効果モデルを用いて、気温、湿度、性別を調整して、目や鼻の症状と検査前24時間のオゾン個人曝露濃度との関連を解析した。
オゾン個人曝露濃度の平均は、18.8±10.3 ppbであった。最低値は0.9 ppb、最高値は51.6 ppbであり、人によって大きく異なっていた。1時間未満運動している人は、運動していない人よりもオゾン個人曝露濃度が有意に高かった(1.75 ppb【95%信頼区:0.09,3.40】)。目や鼻の症状との関連では、くしゃみの出現と有意な関連が見られた(10 ppb増加あたりオッズ比1.02【95%信頼区間:1.00-1.05】)。オゾン個人曝露濃度の増加と目の症状との関連は見られなかった。
今回の研究結果ではオゾン個人曝露濃度の増加に伴い気道炎症を引き起こし、くしゃみを誘発したと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

オゾン個人曝露濃度測定は、研究期間中毎朝8時につけてもらい、次の朝新しい物に交換して、24時間の曝露時間を計画していたが、測定バッジの交換が遅れた人や破損のため測定出来なかった人など、予期せぬ出来事が起こり曝露評価を行うために時間を要した。そのため、解析に時間がかかり、当初の予定より遅れて進行している。

今後の研究の推進方策

これまで愛媛県弓削島の学校にて屋内外のオゾン濃度を自動測定装置を用いて測定を行った。さらにパッシブサンプラーを用いて個人曝露濃度の測定を行った。学校に通学する学生に目、鼻、呼吸器の症状とストレス症状について毎日調査を行った。また、研究期間中に血圧測定、ドライアイ調査、CES-D Scaleを用いて精神的健康面の調査を行ってきた。これらの結果を解析して、オゾンによる曝露が健康に及ぼす影響を評価し、結果をまとめて論文を作成し、投稿する予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 2021

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 大気中オゾンの個人曝露濃度と目、鼻、ストレス症状との関連2024

    • 著者名/発表者名
      余田佳子、伊藤武志、若松純子、益崎智成、島正之
    • 学会等名
      第94回日本衛生学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 愛媛県弓削島におけるオゾン個人曝露濃度の測定2023

    • 著者名/発表者名
      余田佳子、伊藤武志、若松純子、益崎智成、島正之
    • 学会等名
      第64回大気環境学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Association of short-term exposure to ozone with daily records of nasal and respiratory symptoms in adolescents.2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshiko Yoda、Takeshi Ito、Tomonari Masuzaki、Junko Wakamatsu、Masayuki Shima
    • 学会等名
      The 35th Annual Conference of the International Society for Environmental Epidemiology
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 屋内外におけるオゾン濃度のパッシブサンプラーと連続測定結果の比較2021

    • 著者名/発表者名
      余田佳子、高木洋、伊藤武志、若松純子、島正之
    • 学会等名
      第62回大気環境学会年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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