研究課題/領域番号 |
21K10462
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
吉岡 英治 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70435957)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 自殺対策 / COVID-19 / 平均寿命 / 新型コロナ感染症パンデミック / 分断時系列解析 / 新型コロナ感染症 / 中断時系列解析 / パネルデータ / 失業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は以下の2つの目的で実施する。 1)まず失業率とその他の社会経済的要因との自殺リスクに対する交互作用を検討することである。この研究では、日本における1999年から2016年までの市町村別の自殺者数と失業率、その他の社会経済的変数などのデータからパネルデータを構築して実施する。 2)次に最近の日本における失業率が自殺率へ及ぼす影響が、性年齢階級によってどのような違いがあるのかということを明らかにする。本研究では、2009年から2021年までの市町村別の自殺者数(年齢階級別)を使用する。
|
研究実績の概要 |
2020年以降最近まで、新型コロナ感染症の流行が全世界的にみられ、日本を含めたほとんどの国において、日常生活や経済活動の制限が余儀なくされた。本研究は、当初1999年から2021年までの日本の状況における、失業率と自殺率との関連を解析する予定であった。しかしながら当初の予定を若干変更し、本研究では、新型コロナ感染症パンデミックが日本人の自殺率に及ぼす影響を解析することとした。 まず初めの解析では、2016年1月から2021年12月までの、日本の月別の性年齢階級別の自殺者数のデータを使用した。そして2020年4月以降に日本において、新型コロナ感染症の流行対策に伴う社会的な影響が大きくなったと仮定し、それ以前(2016年1月から2020年3月まで)とそれ以降(2020年4月から2021年12月まで)との自殺率の推移を、中断時系列解析(Interrupted time series analysis)により比較し、新型コロナ感染症の流行後に自殺率がどのように変化したかを解析した。その結果、日本では新型コロナ感染症の流行後に、それ以前と比較して、自殺率の推移は大きく変化した可能性があることが示唆された。そして、この変化は、女性や若い世代で特に顕著であるようであった。 そして、今年度は、このような自殺率の増加が日本人の平均寿命に及ぼす影響を明らかにするための解析を開始した。この解析では、2017年から2022年までの人口動態統計から入手した死因別の死亡者数(性年齢別)と人口推計を使用する。 これらのデータから生命表を作成し、性別の平均寿命を計算する。そして、各年の平均寿命の変化値を年齢、死因で分解して、平均寿命の変化に、各年齢、各死因がどのように寄与しているのかを明らかにする。 今年度はデータを収集し、解析を開始したところであるが、次年度には解析を終了し、英文原著論文を作成する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究から研究内容を少し変更した。新型コロナパンデミックが及ぼす影響を明らかにすることとした。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、パンデミック期間の自殺率の増加が日本人の平均寿命に及ぼす影響を明らかにするための解析を行う。次年度には解析を終了し、英文原著論文を作成する予定である。
|