研究課題/領域番号 |
21K10473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
永野 純 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 教授 (10325483)
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研究分担者 |
眞崎 義憲 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (10437775)
梶谷 康介 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (10597272)
土本 利架子 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (70635474)
山本 紀子 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (80726729)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 心理療法 / 生活習慣 / 職域 / 介入研究 |
研究開始時の研究の概要 |
がんの危険因子としての生活習慣を効果的に改善する方策が求められている。疾患に罹患する危険性や行動変容を支援する知識についての情報を与えることは方策の一つであるが、そのような情報を得てもなお行動変容を起こし難い人も多く、その支援においては行動変容を阻害する個人に特有な要因を同定し、適切に介入することが望まれる。ただし、人的・時間的・経済的コストが大きな方法は、職域や地域での現実的な選択肢とはなり難い。本研究により、「1~3回の面接で終結可能な短期心理療法によって情報提供による生活習慣改善効果が強く増強される」という仮説の検証に向けた予備的データを得る。
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研究実績の概要 |
定期健診を受ける45歳以上の事業場職員のうち、5つの生活習慣(喫煙、飲酒、食事、運動、体重)のうち改善すべき項目を1つ以上持つ者を対象とする。受診日によって対照群(生活習慣改善をはかるための情報の提供のみ行う)または介入群(同情報提供に加えて短期心理療法を行う)にリクルートし、各群20人に達した時点で打ち切る。両群に対して実施する情報提供として、①がんリスクチェック:対象者に5つの生活習慣に関するアンケートに回答させ、その人の今後10年以内のがん罹患リスクを推定してフィードバックするWEBツール、および②生活習慣改善プログラム:5つの生活習慣改善に無理なく取り組めるようなアドバイスを月に1回、6か月間に渡って提供するプログラムを用いる。介入群において実施する短期心理療法として、「R. グロッサルト=マティチェクらが開発したオートノミートレーニング」を用いる。収集するデータは、5つの生活習慣、オートノミー性と対象依存性、健康関連QOL(SF-36)、酸化ストレス・抗酸化力、自律神経機能、客観的身体活動量とする。 以上のような計画につき、今年度も昨年度に引き続き、コロナ禍の影響を考慮しながら再検討を行った。この間、がんの危険因子としての生活習慣につき、疫学文献レビューをアップデートした。また、生体指標測定デバイスについても、最近の開発状況を調査し、情報のアップデートを行った。これらの結果を踏まえて、来年度は計画を一部修正して研究を遂行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
対象者のリクルートのために、まず定期健康診断会場にて「5つの生活習慣」基準に該当するかどうかを面接によってスクリーニングする計画であった。しかし、健診時期がCOVID-19感染症の5類以降前であったことも影響し、このことが困難であった。計画の見直しをはかる間、疫学文献レビューをアップデートした結果、生活習慣のうち食事についてはがんとの関連性が不明確となりつつあること、一方でこの関連について睡眠への関心が高まりつつあることが分かった。加えて、当初計画していた自律神経測定用デバイスが、製造中止等により入手困難となる一方、睡眠評価用デバイスの開発に進歩がみられた。これらのデバイスの変更や導入についても、研究計画変更において新たな検討課題となった。
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今後の研究の推進方策 |
対象者のリクルート方法を見直す。具体的には、必ずしも定期健康診断と関連付けず、総務担当部署を通じて参加者を広く募集することにする。生活習慣のうち、食事を介入の目標から外し、代わりに睡眠を含める。自律神経測定には代替デバイスを用いることとし、新たに睡眠評価用のデバイスを導入する。そのうえで、COVID-19感染症が5類に移行した状況に鑑みて、対面でのオートノミートレーニング実施を進めるものとする。
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