研究課題/領域番号 |
21K10487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
細澤 麻里子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, 研究員 (70646207)
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研究分担者 |
西田 淳志 公益財団法人東京都医学総合研究所, 社会健康医学研究センター, 社会健康医学研究センター長 (20510598)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | メンタルヘルス / 社会情緒発達 / 孤独感 / 思春期 / 性差 / 社会的要因 / コロナ禍 / 国際比較 / いじめ / 推移 / 自傷行為 / 希死念慮 / コホート / 社会的能力の発達 / オキシトシン / non-communicable disease |
研究開始時の研究の概要 |
社会的能力は、子どもの健やかな発達の基盤となる能力で、近年成人期の精神疾患、自殺 関連事象や生活習慣病発症との関連が報告されている。思春期は子どもの発達が大きく変化する時期であるが、この時期を対象とした社会的能力の発達に関する知見は国内外ともに限られている。本研究では大規模思春期コホートを用いて、思春期における社会的能力の発達推移を同定し、その生物学的・心理社会的予測要因を明らかにする。さらに、20歳時調査で精神疾患や生活習慣病のリスク要因に関するデータを収集し、思春期の社会情緒発達、特に社会的能力の発達との関連を検討することを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究では、大規模思春期コホートのデータを用いて思春期の社会情緒発達とその予測要因および成人期の予後との関連を明らかにすることを目的としている。今年度も引き続き20歳児調査を実施し新規データの取得を行いながら、既存データを用いた分析を実施した。思春期の社会情緒発達は社会環境の影響も受けていると考えられ、本年度はこの観点から研究を実施した。具体的には、国際機関が収集しているデータを用いて本邦を含む世界71か国における孤独感の過去20年間における時系列推移、性差および個人の社会経済状況によりこれらの推移が異なるかについて分析を行った。その結果、世界的に2012年以降孤独感が増加しており、特に高所得国の女子で増加していることが明らかとなった。また、社会経済状況が低い家庭の児は、高い家庭の児よりも孤独感が高く、この傾向は20年間一貫していた(投稿中)。これらの結果からは、思春期の孤独感が世界的な公衆衛生課題であること、また、高所得国の女子および社会経済状況が低い家庭の児に対する支援策が特に重要であることが明らかとなった。昨年度より実施しているコロナ禍が思春期のメタルヘルス(抑うつ症状等)に与えた影響を検討した研究を成果報告し、国内でも多数報道され、発達学的視点を取り入れた画期的な研究として掲載誌よりプレスリリースが行われ研究内容がポッドキャストとして配信された。いずれの研究も、今後の本邦および世界における思春期のメンタルヘルス対策を考える上で重要なエビデンスである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規データの取得も順調に進んでいる。既存データを用いた分析も着実に行えている。
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今後の研究の推進方策 |
収集した新規データを用いて、思春期の社会情緒発達と成人期の生活習慣病の関連について分析を実施していく。
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