研究課題/領域番号 |
21K10492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
名西 恵子 (大塚恵子) 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (40570304)
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研究分担者 |
菊地 君与 九州大学, 医学研究院, 講師 (40644737)
安岡 潤子 東京農工大学, 農学部, 客員教授 (90451773)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | コミュニティー・ヘルス・ワーカー / ラオス / へき地 / 乳幼児栄養 / 母乳育児 / スーパービジョン / 母子の継続ケア / コミュニティ・ヘルス・ワーカー |
研究開始時の研究の概要 |
低・低中所得国のへき地は、医療へのアクセスが非常に悪く、乳幼児の低栄養が顕著である.そのような地域では、コミュニティ(村や集落)の住民がトレーニングを受け、コミュニティ・ヘルス・ワーカー(CHW)となって、乳幼児栄養改善に取り組むことがある.CHWの活動には、保健師など医療従事者(スパーバイザー)からのスーパービジョンが必要となる.本研究ではラオスのへき地において 1)スーパービジョンが適切で支持的であるかを測定する尺度を開発し、2)適切で支持的なスーパービジョンがCHWの高いパフォーマンスに関連していることを確認し、3)適切で支持的なスーパービジョンを可能にする条件を探索する.
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研究実績の概要 |
2021年にWHOとUNIEFは、Indicators for Assessing Infant and Young Child Feeding Practices を改定した。これはコミュニティーレベルで、乳幼児の栄養方法がどの程度適切であるかを測定するための17の指標である。これらの指標は、コミュニティにおいて横断的データ収集によって栄養方法の適切性を評価でき、今回の研究に用いることができると考えられる。一方で、横断的にデータを収集することによる限界も考えられた。そこで、われわれは2021年7月から8月にかけて日本でオンラインにて収集した4247組の母子のデータを分析した。分析の結果、 17の指標のうちの一つであるExclusive breastfeeding under six months (調査24時間以内に母乳のみを与えられた六ヶ月未満児の割合)を単独で用いるとWHOや多くの保健機関が推奨する公衆衛生上の目標である「生後6か月間の母乳のみでの育児」の到達度を過大に評価し、出産直後の母乳育児支援の効果を過小に評価する可能性があることがわかった。この研究結果は2022年9月の第36回日本母乳哺育学会学術集会で発表した。また2023年5月の8th Academy of Breastfeeding Medicine(ABM) /European Association of Breastfeeding Medicine (EABM) European Regional Conferenceで発表予定である。今後の本研究におけるデータ収集に、今回の分析結果を反映させる。 また、1)へき地でのコミュニティー・ヘルス・ワーカーのスーパービジョン、モチベーションと職務への満足について、2)へき地での乳幼児栄養の課題について、文献レビューを進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の流行により、現地に渡航できない状態があったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、倫理審査での承認が得られ次第、データ収集を行い、結果を分析して公表する。毎年、秋にビエンチャンで開催されるNational Health Research Forumでの結果説明とラオスへの研究成果の還元を目指す。
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