研究課題/領域番号 |
21K10494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
越田 繁樹 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (70372547)
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研究分担者 |
高橋 健太郎 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (20163256)
所 伸介 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20613475)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 周産期死亡 / 死産 / 新生児死亡 / 死亡回避 / 提言 / 啓発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、過去に検討した周産期死亡症例で死亡回避可能と判断された例から、死亡防止につながるための「提言」を抽出する。ついでそれらの「提言」を地域の医療機関や妊婦に普及し、地域の周産期死亡数が減少するかどうか調べる。 研究計画の概略は以下の3点である。①定期的に前年度の新規県内周産期死亡症例を検討する。②過去10年の症例検討より死亡回避のための具体的な方法を「提言」としてまとめる。次いで③医療従事者および妊婦にその「提言」を啓発し、④回避可能な周産期死亡症例の減少効果及び地域の周産期死亡率低下に与える影響を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究目的は、県内の全周産期死亡例の「ピアレビュー」により得られた死亡回避の為の「提言」の有効性を検証することである。 2022年度は計4回(2022.4/21、5/26、6/23、7/21)にわたり症例検討会を開催し、2020年の県内周産期死亡症例(後期死産21例、新生児死亡11例)を検討した。解析不能例を除くと回避可能と判断された症例はなかった。回避可能と判定された死産症例はなかったが、死産回避のための提言として、妊婦の胎動減少時の速やかな受診、妊婦の未受診抑制、子宮内胎児発育遅延症例の早期紹介、超緊急の分娩体制の確立が課題としてあげられた。新生児死亡回避のための課題として適切な新生児蘇生の施行があげられた。また2021年の滋賀県の周産期死亡率は1.68/1000出生であり全国平均(3.38/1000出生)に比べて最も低かった。滋賀県における各指標の経年的推移を全国平均値と比較したこところ、後期死産率は経年的に大きく低下し、2016年および2021年に全国最低値であった。新生児死亡率は全国平均付近に低下する傾向がみられた。 次に、2007年から2021年の15年間を、5年毎の3期(前期、中期、後期)に分けて滋賀県の周産期死亡関連指標を全国平均と比較した。各期間における死産率および新生児死亡率の県別平均値を散布図上で検討した。その結果、滋賀県は前期において死産率および新生児死亡率ともに全国平均を大きく上回っていたが、中期では両指標は全国平均に近づき、後期には新生児死亡率は全国平均付近、死産率は全国平均を下回った。 この結果は本研究施行前のデータとして今後の研究結果を評価する上で有用な比較対象となりうるため、来年度以降も周産期死亡症例検討により死亡回避のための提言を地域の医療従事者へ啓発することで、回避が可能な周産期死亡が減少する効果が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに周産期死亡症例検討会を実施しており、死亡回避の提言を抽出できているため順調に進展している。また、人口動態統計調査結果を用いた分析も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度も定期的に周産期死亡症例検討会を実施する予定である。死亡回避の提言を抽出し、地域の医療従事者へその提言を啓発する。また、人口動態調査における滋賀県の周産期死亡数の推移を確認する。
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