研究課題/領域番号 |
21K10496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鹿嶋 小緒里 広島大学, IDEC国際連携機構:PHIS, 准教授 (30581699)
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研究分担者 |
頼藤 貴志 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00452566)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 大気汚染 / 黄砂 / 越境型大気汚染 / 救急搬送 / 死亡 / 気温 / ヘルスインパクトアセスメント / 越境型大気汚染(黄砂) / 疫学 / 健康影響評価 |
研究開始時の研究の概要 |
アジア地域では高い地表大気汚染濃度が依然として観測され、越境型大気汚染も増加する中、その健康影響が懸念されているが、その健康影響評価はまだアジアでは不足している。また大気汚染がどれくらい実社会に影響をもたすかのヘルスインパクトアセスメント(インパクト評価)は、広範囲な大気汚染濃度測定が困難な状況もありまだ十分ではない。そこで衛星データをベースとした越境型大気汚染濃度として用いて、① 越境型大気汚染による健康リスク、② 越境型大気汚染が地表大気汚染の健康影響を増加させるか、 ③大気汚染による定量的なインパクトの3つを評価する。 本研究は今後のアジア地域への研究展開を予定した研究デザインとしている。
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研究実績の概要 |
本年度は、②解析データの入手とデータセット作成、③データ解析作業を引き続き実施した。一部黄砂の年度を再度入手する必要があるが、次年度に申請を予定している。また、ヘルスアウトカムデータとして、死亡個票を厚生労働省に、また救急搬送データを総務省へそれぞれ申請していたデータの入手が完了した。これら、入手した曝露データおよび、ヘルスアウトカムデータをデータベースソフト上で連結し、解析用データセットの作成を行った。データセットは、タイムシリーズ研究とケースクロスオーバー研究の両研究デザインで解析可能な形式でデータを作成した。③のデータ解析においては、まずはケースクロスオーバデザインを用いて、各大気汚染、黄砂濃度増加及び、気象条件(気温、湿度、気圧等)の変化に伴うリスクの増加について解析を実施している。この解析結果を用いて、日本全国における黄砂によるヘルスインパクトアセスメントを次年度実施する予定である。加えて本年度は、第34回国際環境疫学学会(アテネ、ギリシャ)および、2022年度プラネタリーヘルス年次総会 (ボストン、米国)へ参加を行い、各国の越境型大気汚染について、研究者と情報交換を行うとともに、特に気候変動による影響が高い地域の研究者等と議論を行った。また、第81回日本公衆衛生学会総会(山梨県)において、本研究の一部である“日本の10都道府県における黄砂のヘルスインパクトアセスメント”の発表を行った。加えて、2023年に開催予定である、国際会議でも研究成果の一部を発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析用データ構造のデザインがほぼ完了し、おおむね順調に進行している。一部、曝露データの追加年度の申請が必要となり、この作業は、次年度にもちこしている。また、気象に関連する時間値データも一部結合が完了したため、越境型大気汚染、地表大気汚染の影響評価時において、気象に関連する指標(気温、湿度、降水量等)の影響も加味し、現在解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
現在予定している解析を引き続き実施する。また、詳細な気象データとの連携ができたため、これら指標を用いた解析結果の一部を、国際学会で発表予定であり、現在抄録を投稿している。加えて、ヘルスインパクトアセスメント時には、様々な要因を考慮する必要があるため、越境型大気汚染の直接的濃度増加に、その他(社会的・環境的要因)がどのように間接的に(効果就職要因として)関連するかの評価をさらに実施する予定である。また、引き続き研究成果については、国際学会で発表を行い、アジアの研究者と情報交換を行っていく予定である。
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