研究課題/領域番号 |
21K10502
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
竹内 昌平 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (80432988)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 新型コロナウイルス感染症 / 時空間的な集積性 / 実効再生産数 / 結核 / NPIs / 基本再生産数 / リスクマップ / 接触行動 |
研究開始時の研究の概要 |
感染症の流行は、人口構成など社会的要因とヒトとヒトの接触頻度の影響を受ける。そのため、これらの情報を用いた小地域ごとの感染症流行リスクの推定は、感染症流行予防への貢献が大きいことが期待できる。 本研究では、インフルエンザなどを対象として、事前の感染症流行対策に活用できそうな社会的・地理的要因を探っていくこと、および実効的な感染症流行リスクの予測マップを作成し、潜在的なリスクを可視化することを目的としている。 これらの結果は、優先的に対策を行うべき地域の事前の同定など、感染症流行の効率的な防止に利用可能であり、公衆衛生行政に有効と考えている。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、感染症の流行に対し、1)事前の感染症流行対策に活用できそうな社会的・地理的要因を探っていくこと、2)潜在的なリスクを可視化することを通し、「感染症対策を優先的に行う地域を決めることができるか?」といった問いに答え、有効な公衆衛生行政に結びつけることである。 今年度は、長崎県の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を対象として、主に地理的要因として、離島という条件が感染症の侵入・流行を妨げる要因となりうるかどうかを検討することを目的に研究を行った。昨年同様、長崎県環境保健研究センターと長崎県における流行のデータを共有し、患者の時空間的な集積性について検討した。 特にデータ全体(2020年3月~2022年8月)を通して、時間的な集積性を検討した場合、壱岐、対馬、上五島を含む1つのクラスターしか検出されなかった。本データは、流行の第8波までを含んでいるが、特に第8波の影響が大きく、細かく流行を分けて検証する必要性が示された。実際に流行を細かく分けて検証すると、例えば第3波では、壱岐(2020年12月~2021年1月)と五島(2021年1月)にそれぞれ1カ所のみで構成されるクラスターが検出された。また第5波では、五島(2021年8月~9月)1カ所のみのクラスターと壱岐、対馬、上五島の3カ所で構成されるクラスター(2021年8月)が1つずつ検出された。五島はどちらも独立したクラスターを作っており、離島等条件が孤立性の高い流行を招いた可能性を示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行の影響などで遅れた分が残っており、引き続きやや遅れているを選択した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、長崎県環境保健研究センターとのやり取りを行いながら、残りのデータ収集を行いつつ、基本再生産数、実効再生産数といった流行の指標について推定を進める。また、今年度の離島における流行の時空間的集積性を含め、流行のリスクを可視化していくことを予定している。
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