研究課題/領域番号 |
21K10517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2023) 千葉大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
斉藤 久子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10292674)
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研究分担者 |
峰岸 沙希 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00882820)
櫻田 宏一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10334228)
森谷 透 山形大学, 理学部, 助手 (40732392)
吉田 真衣子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70317139)
門叶 冬樹 山形大学, 理学部, 教授 (80323161)
武山 美麗 山形大学, 理学部, 技術専門職員 (80822668)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 放射性炭素 / 歯 / エナメル質 / 象牙質 / ラセミ化 / エックス線画像 / CT画像 / CT / レントゲン / 身元不明遺体 / ラセミ化反応 / 画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、ヒトの歯の各種成分による生化学的解析、すなわち、エナメル質を用いた放射性炭素測定による出生年推定、象牙質を用いたラセミ化測定による死亡時年齢推定、全歯質を用いたDNA型解析などを行ってきた。しかし、本研究では、従来の歯の形態学的特徴による研究や最近発展してきたCT再構成画像による解析などに着目し、ヒトの歯を用いた生化学的解析とともに、歯や顎骨の形態学的特徴、レントゲン画像解析及びCT再構成画像解析などと関連させ、それぞれの分野の専門家とともに多角的視点から、身元不明遺体における個人識別につながる情報を統合し、また、それらの情報の共有化と活用方法について検証していきたいと考えている。
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研究実績の概要 |
令和3年度から令和4年度にかけては、法医解剖事例から採取した下顎第一小臼歯を用いて、歯冠部全体の粉末を用いた放射性炭素濃度による出生年推定を実施し、歯冠部のエナメル質のみを用いた結果との比較検討を行った。その結果、下顎第一小臼歯においては、全歯冠部の放射性炭素濃度を用いた出生年推定における有用性が判明し、法医学関連の学会発表とともに国際誌への公表を行った。 また、令和5年度においては、歯の象牙質から抽出したコラーゲンを用いて放射性炭素濃度測定を行い、エナメル質を用いた結果との比較検討を行った。 本研究では、ヒトの歯を用いて、生化学的手法による解析結果とともに、口腔内領域における形態学的特徴、エックス線画像及びCT画像による解析などと関連させ、多角的視点から、身元不明遺体における個人識別につながる情報を統合し、また、それらの情報の共有化と活用方法について各専門家とともに検証していきたいと考えている。 今後は、放射性炭素濃度による出生年推定に加えて、ラセミ化測定による死亡時の年齢推定も実施する予定である。また、常染色体及びY染色体におけるSTR型、ミトコンドリアDNA型などの分子生物学的手法による解析も実施予定である。さらに、生化学的検査を実施した事例において、上下顎の歯槽骨の退縮程度や歯の歯髄腔の狭窄程度、顎骨内の過剰歯や埋伏歯などの形態学的特徴及び画像解析の全ての結果を統合し、個人識別につながる情報として、これらの手段をどのように活用すべきかを多職種の専門家らとともに検証していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
法医解剖事例から採取した下顎第一小臼歯14本を用いて、歯冠部全体もしくはエナメル質の放射性炭素濃度を用いた出生年推定結果の比較検討を行ったところ、下顎第一小臼歯においては全歯冠部の放射性炭素濃度を用いた出生年推定における有用性が判明した。本方法は、全歯冠部を粉砕する操作を行うのみであり、エナメル質を単離する場合の労力が必要なく、操作時間は短時間で済むため、全歯冠部の応用は非常に効率的で有用であると思われる。現在は、放射性炭素濃度測定に用いる試料として、全歯冠部もしくは象牙質から抽出したコラーゲンを用いる方法を検討している。今後は、象牙質を用いたラセミ化測定も実施していく予定である。 現時点では、生化学的な方法の研究を先行して実施しており、常染色体及びY染色体におけるSTR型、ミトコンドリアDNAによるDNA型解析や、歯や顎骨などの口腔内領域における形態学的特徴、エックス線画像及びCT画像の解析は進んでいない。従って、本研究の目的である個人識別指標の統合的な解析が進んでおらず、現時点での進捗状況はやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
法医解剖事例の歯を用いて、エナメル質、象牙質コラーゲン及び全歯冠部を用いた放射性炭素測定による出生年推定、象牙質を用いたラセミ化測定による死亡時年齢推定、安定同位体(炭素、酸素、水素など)による居住地推定、全歯質を用いたミトコンドリアDNA及びY染色体DNAのハプログループによるDNA型解析、市販の個人識別キットを用いたSTR型解析といった生化学的手法に加えて、口腔内領域のエックス線画像及びCT画像解析を用いて、加齢に伴う歯槽骨の退縮程度や歯髄腔の狭窄程度、上下顎骨内の過剰歯や埋伏歯などの形態学的特徴に基づく指標を統合して解析していく予定である。 現在は、生化学的解析を先行して行っているが、次年度以降は画像解析に積極的に取り組み、さまざまな解析方法を統合した身元推定方法を確立したいと考えている。
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