研究課題/領域番号 |
21K10518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永井 淳 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00207961)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | シングルセルゲノム解析 / 全ゲノム増幅 / 個人識別 / 混合血痕 / DNA型フルプロファイリング / アレル・スコアリング / 重ね合わせ法 / WGA産物混合法 / 主成分分析 / DNA型 / 乾燥混合血痕 / セルソーティング / 限界希釈法 / シングルセルゲノミクス / 混合試料 / STR |
研究開始時の研究の概要 |
現在の法医・鑑識科学分野では、混合資料に関与した人物を確実に特定するのは未だ困難である。本研究では混合資料中の個々の細胞に着目し、シングルセルゲノミクス技術を用いて単離・全ゲノム増幅した1個の細胞由来のDNAの常染色体STR解析を行い、混合資料(試料)からの精度の高い個人識別法を確立する。その際に、1個の細胞から確実に個人識別を行うために必要となる、細胞寿命の長いリンパ球やアポトーシスを起こしていない細胞を選択的に分取・使用するための手法を開発する。最終的に、様々な環境に置いた混合試料に本法を適用し、鑑定実務における本法の有用性を総合的に検討する。
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研究成果の概要 |
シングルセルゲノミクス技術を利用し、混合血痕からの高精度な個人識別法の開発を目指した。セルソーティングによって混合血痕から白血球を単離する際の細胞標識には、アレル判定率の点において抗ヒトCD3抗体が有用であることを明らかにした。シングルセルの全ゲノム増幅(WGA)において生じやすいアレル・ドロップアウトによりDNA型フルプロファイルが得られない問題を解決するために、新たに「重ね合わせ法」と「WGA産物混合法」を考案した。これらの方法を用いることにより、混合血痕における関与者のDNA型フルプロファイルが得られ、関与者のDNA型が未知の混合血痕にも両手法は利用可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
法医・鑑識科学分野では、単独試料からの個人識別は非常に高い精度を持って行うことが可能であるが、混合試料からの個人識別はソフトウェア等による統計学的手法を用いても困難な場合が多く、混合試料に関与した人物を確実に特定するための有効な方法は未だない。本研究では、混合血痕中に含まれる個々の白血球に着目し、1個の白血球のシングルセルゲノム解析を行うことにより、混合血痕に関与した人物のDNA型フルプロファイルを得ることに成功した。本研究において得られた成果は、混合血痕から個人を特定するためのひとつの手法として、犯罪捜査に少なからず寄与しうるものと考える。
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