研究課題/領域番号 |
21K10526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
菅野 さな枝 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (50391090)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | エクソソーム / 死因解明 / miRNA / 網羅解析 / 細胞外微粒子 / 死因 / 網羅的解析 |
研究開始時の研究の概要 |
Exosomeは、たんぱく質・RNA・DNAなどを内包するナノサイズの細胞外小胞である。疾患や病態進行に特異的なmiRNAを含有し、細胞から体内循環に放出されることより、その解析は様々な疾患の診断への活用に期待できる。脂質二重膜に囲まれたExosomeの内包物は安定に保護されており、法医解剖で扱う死後の体液中にも安定に存在している可能性がある。安定な環境条件下では、剖検体体液中Exosome内包 miRNAの解析により、死因となった疾患情報を得られる可能性が高い。本研究の目的は、微量の剖検試料中Exosomeが死因特定のための新規試料となるか検討し、剖検時の死因解明に応用させることである。
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研究実績の概要 |
Exosomeは、細胞から分泌されるナノサイズ(直径50-150 nm)の細胞外微粒子である。核酸やタンパク質などを含有し、様々な疾患の病態形成に関わっている。脂質二重膜に囲まれ、体液中に安定して存在していることより、臨床現場ではバイオマーカーとしての応用が期待されている。Exosomeとその内包物は安定に保護されていることより、法医解剖で扱う死後の体液中にも安定に存在している可能性がある。安定な環境条件下では、法医学分野においても、死体体液中Exosomeの内包物の解析により、死亡に至る病態変化を得られる可能性がある。特にExosomeに内包されている非コードRNAであるマイクロRNA (miRNA)は、標的とする複数のmRNAの調整に関わることより、Exosomeの機能に重要である。本研究は、①解析に用いる剖検体の有用な試料、②体液中のExosome及びその内包物の安定な期間及び環境温度、③死体体液中のExosome内 miRNAの解析により、生体で既に報告されている疾患特異的なExosome中miRNAの変化との比較と確認、④死因特異的miRNAの探索及び剖検試料を用いた実証、この4点を中心に実験を進める計画である。今年度は目標の中の③④を中心に実験を進めた。 ②の実験結果を基に、安定性の確保された環境中温度で死後2日以内の解剖体から採取した血液を実験試料として用いた。本年度は、死因判定の難しい疾患の1つであるてんかんを選択した。てんかん突然死はその明らかなバイオマーカがなく、死因の確定は難しい。てんかんで死亡したと推定される症例と、比較対照として、てんかん以外の死因で死亡したご遺体の血液からExosomeを分離し、miRNAの網羅解析を行った。てんかん突然死に特異的なExosomal miRNAが検出できるか、結果を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当研究に関連した細胞外微粒子の研究を行うため、1年間海外の大学で研究に従事した。取得した手法は多いが、当研究での対象であるご遺体試料は使用できないため、1年間は細胞やヒト血液を用いた実験を行った。そのため当研究はやや遅れている。しかし、この1年間の取得した手法は今後の当研究にとても役立つ。
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今後の研究の推進方策 |
てんかんで死亡したと推定される症例の血液中の疾患特異的Exosome中miRNAの差位的変化を捉え、死因特異的Exosome中miRNAの探索を行う。特異的なmiRNAが捉えられたときは、血液中のExosome中miRNAの RT-PCRを行い、検証を進める。
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