研究課題/領域番号 |
21K10539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
渡邊 賢 科学警察研究所, 法科学第一部, 主任研究官 (20532047)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 物体検査 / 人体液斑の同定 / DNAメチル化 / DNA多型 |
研究開始時の研究の概要 |
血痕、精液斑などの事件現場から採取された体液資料の多くは、複数人由来の異なる体液種が混合している場合が多い。我々はこれまでに、体液特異的にメチル化あるいは脱メチル化された部位の近傍に遺伝的多型が座位する領域を用いた、混合体液試料からの体液種特異的ジェノタイピング法の開発を目指してきた。本研究では、これまでに同定した多くのマーカー候補部位をPCR非依存的に同時検出する、高度マルチプレックス化体液特異的ジェノタイピング法の確立を目的としている。この方法により、高度なマルチプレックス化が困難とされる、従来のバイサルファイトシークエンス法よりも、実務資料により適した解析法となることが期待される。
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研究実績の概要 |
唾液特異的(脱)メチル化CpG-SNP領域について、既報の3領域(Watanabe et al., Forensic Science International:Genetics, 2022)に加えて、新たに同定した19領域の候補領域を加えた、NGSを用いたバイサルファイトシークエンスによるマルチプレックス同時検出系の確立を試みた。 まず、各領域における複数のCpGとその近傍に位置するSNPを増幅するように、バイサルファイトPCR用のプライマーを設計した。コントロールDNAを用いて、各領域についてシングルプレックスPCRをおこない、アガロースゲル電気泳動を行ったところ、15領域で増幅が確認された。この15領域について、コントロールDNAからマルチプレックスPCRを行い、NGSで解析を行ったところ、ほぼすべての領域において増幅が確認された。一方で、増幅バランスの偏りが著しく、リード数として領域間で最大1000倍程度の違いが見られた。各プライマー濃度を調整し、様々な条件検討を行ったものの、増幅バランスについて著しい改善は認められなかった。したがって、これらのマルチプレックス化により増幅が困難となった領域については、別の増幅系を構築する必要があるものと考えられた。 また、膣液特異的(脱)メチル化CpG-SNP領域についても、高度マルチプレックス解析系を確立するため、これまでに実施した各体液試料の網羅的メチル化解析データ(Watanabe et al.,Forensic Science International:Genetics, 2022)をもとに、新たな候補領域の探索を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NGSによるバイサルファイトPCRのマルチプレックス化について、当初の想定よりも増幅条件の最適化が困難であったことから。
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今後の研究の推進方策 |
唾液特異的(脱)メチル化CpG-SNP領域のマルチプレックスPCRについて、現状の増幅条件で、ある程度増幅が確認されている領域については、各種体液試料(唾液、膣液、血液、精液、月経血など)を用いて、唾液特異的なメチル化状態となっているか確認を行う。また、マルチプレックス化により増幅が困難となった領域については、それらの領域のみで別途同時増幅が可能か検討する。
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