研究課題/領域番号 |
21K10566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 兵庫大学 |
研究代表者 |
藤後 栄一 兵庫大学, 看護学部, 講師 (70772432)
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研究分担者 |
水野 由子 (松本由子) 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (80331693)
石垣 恭子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20253619)
高見 美樹 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (10335565)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マインドフルネス呼吸法 / 脈波 / 脳波 / マインドフルネス / 指尖容積脈波 / 自律神経機能 / 大学生 |
研究開始時の研究の概要 |
看護基礎教育において、教育課程の過密に伴う精神負荷、看護学生が実習の適応に一定の時間を要している現状から、メンタルヘルスケアの対策として、個人だけでなく組織での取り組みが注目されている。情動に関する支援の一つとしてマインドフルネスが注目され、医療だけでなく、労働など幅広い分野でメンタルヘルスに応用されている。さらに、人々の健康状態の把握にストレスにより生じる自律神経機能の変化や生産性向上の評価に関する研究も注目されている。 本研究では、看護職を目指す学生の心理的なつまずきを早期に発見するだけでなく未然に予防し、新たなる思考力と集中力への心理支援の開発に役立てることを可能とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護学生の情動負荷に対して、マインドフルネス呼吸法と情報技術の活用した心理支援の影響を評価する。評価によって、情動と集中力の変化を可視化することである。 令和3(2021)年度、予備実験として、大学生を対象にマインドフルネス呼吸法の影響を脳波と指尖容積脈波で評価し、成果を学会に1件発表、論文2編がアクセプトしている。 令和4(2022)年度、予備実験として、大学生を対象にマインドフルネス呼吸法の影響を指尖容積脈波で評価し、成果を学会に1件発表、論文1編がアクセプトしている。論文の掲載は、2023年5月以降を予定している。令和4(2022)年度の成果内容は、看護学生20名をランダムに振り分け、マインドフルネス実施群10名とマインドフルネス非実施群10名の脈波を評価した。脈波から算出したアトラクタを視覚的に評価し、両群間の安静閉眼・暗算課題時の最大リアプノフ指数を比較した。結果、実験10日目のアトラクタの形状は、マインドフルネス実施群は変化が少ないのに対し、マインドフルネス非実施群は変化が複雑であった。マインドフルネス実施群の最大リアプノフ指数は1.7以下で推移し、マインドフルネス非実施群と比較し有意に低値を示した。この結果から、実験10日目のMi群のマインドフルネス実践後に交感神経系が抑制されたことが示唆された。カオス解析を用いた信号処理によりマインドフルネス呼吸法の特徴を評価できる可能性があることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3(2021)から令和4(2022)年度の研究として、臨床実習における自己管理を支援するアプリケーションの開発を計画している。現在、Microsoft Accessを用いて、タブレット端末に入力できるアプリケーションの試作品を開発している。今後、スマートフォンにインストールできるアプリケーションの開発を検討している。 本研究では、令和4(2022)年度からマインドフルネスを用いた看護学生の生産性の評価、マインドフルネスを活用した自己管理が自律神経機能に与える影響の評価を行うことを計画している。情動負荷は、汎用のプログラミング言語Pythonを用いてランダムに作成された2桁の数字の暗算課題を行う。暗算課題のプログラムは完成している。 令和3(2021)度に測定機器を購入し、研究者自身でプレテストを実施している。現在、所属大学での倫理審査を終えており、研究計画書にそって、大学生の情動負荷に対して、マインドフルネスを活用した心理支援を実施し、大学生の情動への影響、自律神経機能と脳への影響、課題遂行量を測定、評価している。また、胸に装着可能なウェアラブルデバイスを活用し、日々の HF・LF/HF、加速度脈波を測定している。ウェアラブルデバイスに関しても、事前に研究者自身でプレテストを実施して実験を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、令和5(2023)年度も令和4(2022)年度と同様に、マインドフルネスを用いた看護学生の生産性の評価と脳・自律神経機能に与える影響の評価を実施していく予定である。 現在、14名の実験が終了しているが、被験者が実験の解析に必要な人数に達していない。引き継ぎ、被験者の学生を無作為に2群(アプリを使用するマインドフルネス実施群と使用しない対照実験のマインドフルネス非実施 群)に分けて実験する予定である。実験では、情動負荷状態における、看護学生の自律神経機能への影響について呼吸、心拍数・HF・LF/HF、加速度脈波を用いて抽出する予定である。
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