研究課題/領域番号 |
21K10571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
田辺 文憲 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任教授 (80217108)
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研究分担者 |
森本 美智子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (60342002)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 個人防護具 / ガウン / 飛沫 / 微生物汚染 / 口腔ケア / 看護ケア / 二次感染 |
研究開始時の研究の概要 |
医療従事者は感染を防ぐためマスクやアイソレーションガウン(感染防止用の使い捨てガウン)などの個人防護具を着用しケアを行う.看護ケアでは患者に接近して行う動作が多く、喀痰吸引などでは飛沫に暴露するリスクがある。飛沫中の病原体がガウン表面に残存した場合、脱衣時に手指やユニホームへ汚染し二次感染を起こしうる。今回、看護ケアで使用される撥水性、防水性、プラスチック製のアイソレーションガウンに喀痰や唾液中の病原体を付着させ、ガウン表面に残存する病原体数の違いを実験により検証する.臨床現場のガウンや環境の汚染に関する実態調査結果を踏まえ、見逃されている感染リスクを明らかにし、有効な感染対策案を提言する。
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研究成果の概要 |
看護師に対する質問紙調査の結果、個人防護具の脱衣手順では、手袋から脱ぐ人が最も多かったが、ガウンやゴーグルから脱衣する人もおり、手順は一定しなかった。個人防護具着脱で問題を感じている人は約20%で、脱衣時に汚染部位に触れてしまう危険性があげられた。看護師は飛沫の汚染を認識していても袖のないエプロンを着用するなど、感染リスクが潜むことがわかった。 また、模擬唾液中の3種の細菌およびファージのガウン表面の付着性の実験結果から、防水性ガウンは撥水性、プラスチックに比べ、微生物の付着性が高いことがわかった。防水性ガウンを着用する際は、ガウン表面への汚染を意識し、正しい手順で脱衣する必要性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
看護師に対する質問紙調査により、飛沫に暴露する危険がある看護ケアにおける個人防護具の使用上の問題点や課題が明らかとなり、それを改善することにより今後の感染対策につながることが期待できる。また、微生物実験でガウン表面に飛沫が付着した際のガウンの素材による微生物付着性の違いが明らかとなり、看護ケアの内容に合わせて、より適切なガウンを選択し、医療者の二次感染を防止することに貢献できる。さらに、微生物付着の少ないガウン素材の開発にもつながることが期待できる。
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