研究課題/領域番号 |
21K10602
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 青森県立保健大学 |
研究代表者 |
小池 祥太郎 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (30553317)
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研究分担者 |
井澤 弘美 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (20315534)
乗鞍 敏夫 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (40468111)
及川 正広 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (60537009)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 血中一酸化窒素 / 血管拡張 / 温罨法 / 採血 / 静脈穿刺 / 血管怒張 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / 一酸化窒素 |
研究開始時の研究の概要 |
採血や点滴時の血管確保に失敗しないためには、十分に血管を怒張させることが重要であ る。血管怒張を促進する看護技術には温めることが推奨されているが、なぜ、温めることで血管が怒張するのかという機序は不明瞭なままである。そこで、先行研究で注目されている血管拡張作用を持つカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)と一酸化窒素(NO)に着目し、温めることでこれらの物質にどのような影響を与えているかを調べる研究を行う。 本研究目的を達成することで、新たな看護技術の効果を検証する際の土台となり、これまでとは違った全く新しい血管怒張を促進する技術開発にもつながる可能性がある。
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研究実績の概要 |
採血や点滴時の血管確保に失敗しないためには、十分に血管を拡張させることが重要である。血管拡張を促進する看護技術の一つに温罨法があるが、温罨法がなぜ血管を拡張させるかというメカニズムは十分に検証されていない。そこで本研究では、血管拡張作用を持つことが生理学的に解明されているNOに焦点をあてて、温罨法が血中NOに与える影響を調査することを目的とした。 対象者に対して、5分間39~42℃の温罨法を非利き腕に行い、その前後に皮膚温度計とエコーを用いて皮膚温と血管断面積を測定した。また、NOを測定するために2 mLの採血を介入前後に行った。血液は実験後に速やかに遠心分離をして、Dojin NK08 NO2/NO3 Assay Kit-FX ~2,3-Diaminonaphthalene Kit~(DOIIN, Kumamoto, Japan)を用いて分析を行った。得られたデータは記述統計を行い、Wilcoxon signed-rank sum testを用いて介入前後の比較を行った。 介入前後の皮膚温は32.05℃から39.40℃に、血管断面積は12.2 mm2から13.8 mm2に有意に上昇した。一方で血中NOの中央値は12.45 μmol/Lから11.18 μmol/Lに有意に低下した。 血管は血管内皮細胞由来のNOが血管の中膜に作用することで拡張することが知られている。本研究で温罨法により血管断面積が有意に増加したのに対して、血液中のNOが低下したのは、血液中のNOが血管の中膜に作用し、消費された可能性があると研究者は考えた。この結果から、温罨法は血液中のNOを血管中膜に作用させることを促す効果があるのではないかという新たな仮説を導きだした。
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