研究課題/領域番号 |
21K10624
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩本 幹子 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (50292040)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | COVID-19 / 看護師 / プロフェッショナリズム / 倫理的問題 / ジレンマ / 新型コロナウィルス感染 / 離職率 / 専門職倫理 / 看護倫理 / 専門職倫理性 / 新型コロナ感染 / 倫理的発達段階 |
研究開始時の研究の概要 |
2020年、新型コロナウィルス感染の流行により、看護師には患者の擁護者として人々に公平に誠実にケアを提供することが求められた。一方で、看護師本人やその家族が、人々 の感染症への不安から中傷や差別的態度をとられる事態となり、看護師たちの良心に支えられるケアが続けられた。本研究は、コロナ感染症患者の看護に当たった看護師の臨床経験を通して、そのケア行動の裏づけとなった専門職的倫理性について、フィールドスタディーの後、横断的質問紙調査により、看護師の体験する倫理的問題について記述する。これにより、コロナ感染症流行下で経験した看護師の倫理的問題が記述され、新たな対処法が示唆される。
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研究実績の概要 |
本研究は、コロナ感染症患者の看護に当たった看護師の臨床経験を通して、そのケア行動の裏づけとなった専門職的倫理性について記述することを目的にしている。 今年度は、看護師が認識した倫理的問題、問題に対する看護師が選択した行動、その判断基準、阻害要因について記述するために、「COVID-19」、「看護師」、「倫理」、「プロフェッショナリズム」をキーワーズにシステマティックレビューを実施した。 COVID-19パンデミックのもと、手術室・集中治療室・救急救命室のように、患者の生命が危険に晒されている現場では、看護師自身の身を守るための感染防護策も十分に取れない状況で献身的にケアを行う一方で、患者の最期を看取る際には無力感を感じていた。一般病棟においても、感染対策として患者の行動を制限したり、家族との面会を制限しなければならない状況におかれ、看護師として大切にしていた価値にもとづく患者中心という看護行為が、感染対策を実行するために妨げられるというジレンマがあった、また、プロフェッショナルとしての看護師の医療チームにおける役割機能に対する懐疑感、労働者としてのストレスにさらされている姿がレビューから浮かび上がった。 2023年5月、社会ではコロナ感染に対する防止策は緩和されているが、医療現場では、以前と変わらぬ感染への警戒態勢が続いている。パンデミックを経験し、災害を経験した日本の看護師は、この経験をもとに、次代にどう対応するかという教育を課題としている論文が発表されている。 現状は、国内における研究対象となった論文データについて、特にパンデミックの状況下での看護師に焦点を当てて、新たな倫理的問題の抽出を行なった。そして、国内の論文の分析を終え、Pubmed, Scopus, Psycinfo, CINHAL, and WOSなどのデータベースにより抽出されたデータの分析に移り、国際間の倫理的問題の共通性や差異について検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
私事にて、十分に研究時間を確保できず、資料収集、分析の遅れから、初年度に計画していた看護師の倫理問題への認識と倫理的行動とその判断基準と阻害要因にする記述の成果をもとに、看護師の倫理的問題スケールの作成にとどまっている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、エフォートに見合った研究時間を確保し、修正した看護師の倫理的問題体験スケールを作成し、信頼性と妥当性を検討する。操作が容易であったことから、旧来のテキスト分析ソフトを使用して作業を進めていたが、申請当初購入を予定していたパソコンとテキスト分析ソフトを購入し、作業の効率化を図る予定である。
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