研究課題/領域番号 |
21K10627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 山梨大学 (2022) 和洋女子大学 (2021) |
研究代表者 |
小林 美亜 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任教授 (00327660)
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研究分担者 |
石川 翔吾 静岡大学, 情報学部, 講師 (00626608)
桐山 伸也 静岡大学, 情報学部, 教授 (20345804)
伊東 美緒 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (20450562)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 認知症 / 人工知能 / VR教育システム / シミュレーション教育 / 視線情報 / チャレンジング行動 / 実践知 / 学習 |
研究開始時の研究の概要 |
人間の問題解決の思考プロセスを知識表現化する人工知能の分野に基づいて、暗黙知の構造化を図る。そして、この構造化を基盤としたシミュレーション教育シナリオを作成する。このシナリオは、VR化し、体験型シミュレーションを行うことができる実践知学習システムを開発する。このシステムには、ICT/IoTも活用し、客観的な指標評価による効果的な自動フィードバックシステムも実装させ、自己学習・協調学習の環境構築を図る。そして、その教育効果についても検証する。
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研究実績の概要 |
当該年度は、看護実践能力を向上させるためのシミュレーション教育として、視線情報を活用したVR教育システムの開発および実装を図り、活用可能性について予備的試験を行った。このVR教育システムでは、認知症のチャレンジング行動とせん妄を絡めたケースシナリオを学習教材として用いた。具体的には、視線追跡を搭載したPico Neo 2 Eyeヘッドマウントディスプレイに対応するVRアプリケーションを使用し、学習者が、そのケースシナリオの映像を視聴した際に、視線データ計測モードにより視線データを集積し、保存できるシステムを構築した。そして、このVR教育システムを活用した学習状況を評価するために、①視線情報の評価機能、②評価対象オブジェクトの自動検出機能を内包したシステムの開発を行った。この学習状況評価機能のシステムを用いることにより、観察しなければならない事象の領域範囲を物体検知によって評価が可能かどうか、また視線データにより、視線情報と観察領域の情報を可視化することが可能かどうか実験を通じて評価した。その結果、当該システムが学習状況評価機能として活用できる実行可能性が示された。 続いて、大学生2名の医学的知識のない被検者と、大学生1名の医学的知識のある被検者を対象として、予備的な視線計測の試験を行った。この試験結果を解析したところ、医学的知識がある被検者は、意図的に情報を収集しようと試み、必要な観察領域に視線の動きがみられ、視線の滞留時間が注視することが必要な事柄と関連していることが示された。 来年度の研究に向け、さらに当該VR教育システム機能の拡張を検討するとともに、当該VR教育システムの有用性を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、VRやICT/IoTの技術を活用したシナリオ型シミュレーション教育システムを開発し、その教育効果を検証することを目的としている。当該年度は、そのための視線情報を活用したVR教育システムを開発し、実際にこのシステムが看護実践能力の向上のために活用可能であるかどうかを予備的な試験を通じて検証を行った。その結果、当該システムにより、学習状況を評価することが可能であることが示された。当該システムの開発により、学習状況を評価することが可能となったため、令和5年度は、本研究の最終目標である看護教育に導入し、その効果を検証するステップに進めることが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、令和4年度に開発したVR教育システムを用いて、看護学生や看護師を対象とした教育効果を検証する。さらに、VR教育システムのシナリオを1つ作成し、構造化を図ったチャレンジグ行動に関して、適切な思考プロセスのステップを踏み、回答し、協調学習によりケアや介入を検討することのできる学習システムを開発する。また、視線データを集積することにより、視線の動き・注視時間と知識との関連から、自動フィードバックによる自己学習教育システムに拡張できる基盤を構築する。
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