研究課題/領域番号 |
21K10634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
池田 光徳 高知県立大学, 看護学部, 教授 (70212785)
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研究分担者 |
小原 弘子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (20584337)
井上 正隆 兵庫医科大学, 看護学部, 准教授 (60405537)
坂元 綾 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90584342)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ポータブルデバイス / AIアプリ / 遠隔看護 / 問診 / 感情認識AI / ウェアラブルデバイス / 皮膚弾力計 / 真皮水分計 / 計量看護学 / フィジカルアセスメント / ウエアラブルデバイス |
研究開始時の研究の概要 |
ポストコロナの時代には非対面型の遠隔看護が必要とされる。患者さんが家にいたままで看護サポートを受けられる体制である。このしくみを作るには,患者さんが自分の家から自分の生体情報をポータブルデバイス,ウェアラブルデバイス,および感情認識AIアプリなど使って計測して,それをスマートフォンで遠隔地の訪問看護ステーションに送ることが必要である。本研究ではできるだけ多くの生体情報を送信するシステムを作りたい。
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研究実績の概要 |
看護師と患者が現実に対面していなくても、ICTを活用してオンタイムで対面することは可能であり、遠隔看護においては、このICTの利便性を活用しない手はない。問診を取るにしても非対面で患者がチェックリストをチェックして得られる情報と対面で患者から情報を聞き出す情報には質的な差がある。すなわち、患者の気分、快不快などの非言語的情報は対面でしか得られない。さらに、患者からの画像(動画)情報を感情分析することで、その時の患者の感情を数値化して比較することも可能になる。そこで、我々は最近開発された感情認識AI(FaceReader 9.0)を非対面型遠隔看護の問診の場に取り入れることができないかと考えた。 我々は、模擬患者に腹痛があり、腹痛をこらえながら問診を受けているという状況を設定した。腹痛をこらえる演技をする模擬患者の顔の動画をAI処理することで、FaceReader 9.0が備えている10+2種の感情値をどのように変化させるかを検討した。また腹痛をこらえるときに増大する感情パラメータが何なのかを導きだすことにした。 統計的な有意差はなかったが、いずれの例でも腹痛をこらえることはNeutralの感情を低下させた。腹痛をこらえることは感情認識AI でのSadの感情値を0.210293から0.52923に引き上げた(P=0.034606)。さらに二値分類課題を行うために、それぞれの被験者のValenceとArousalの評価データを正規化したところ、Valenceは無刺激では-0.2033であったものが腹痛をこらえることで-0.50371に下がった(P=0.037448)。Arousal には変化はみられなかった(P=0.358077)。 これらのことから、腹痛をこらえることで、Neutralの感情は減退し、Sadの感情値が増大し、Valenceが低下することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、「ポータブルデバイスおよびAIアプリを用いたポスト・コロナにおける非対面型遠隔看護」の2年目にあたる。最も新規で重要な研究を実施した。すなわち、AIアプリを用いて遠隔地にある患者の「感情」を読み取ることができないかという問いに答えるための研究を行った。 模擬患者に腹痛があり、腹痛をこらえながら問診を受けているという極端かつありふれた設定ではあるが、感情認識AIは、腹痛をこらえる演技で、被検者のNeutralの感情が減退し、Sadの感情値が増大し、Valenceが低下すると読み取ることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初考えていた非侵襲的な血糖測定デバイスを本研究の実施期間内に入手できる可能性は高くないことがわかった。また、liquid biopsy(一種の検体検査)の有用性が示されてきた。そこで、非対面型遠隔看護の中に採血に代わり遠隔地から郵送できるliquid biopsyを取り入れることができないかと考えた。来年度はliquid biopsyに研究を広げたい。
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