研究課題/領域番号 |
21K10640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 日本医療科学大学 (2022-2023) 了徳寺大学 (2021) |
研究代表者 |
末永 弥生 日本医療科学大学, 保健医療学部, 教授 (60750784)
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研究分担者 |
尾立 篤子 東邦大学, 健康科学部, 教授 (50736973)
吉村 惠美子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (10413163)
蔵谷 範子 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 教授 (00320846)
海津 真里子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 講師 (50824489)
根本 友子 了徳寺大学, 健康科学部, 講師 (60823086)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 発達障害傾向 / 看護大学生 / 看護技術習得 / 困りごと / 技術演習 / 学習困難 |
研究開始時の研究の概要 |
看護師養成所機関の7割に発達障害の疑いのある学生が存在しているとの報告がある(山下,2016)。年々発達障害学生の支援についての関心が高まっており、教員からみた障害学生の特性は明らかにされつつある。しかし、障害開示という繊細な問題が関係することから、当事者からみた困難を明らかにした研究はなく具体的な支援に繋がっていない。本研究では、学生が最初に取り組む基礎看護学の技術演習に焦点化し、発達障害傾向のある看護大学生の技術演習における困難の様相とはどのようなものか、教育者がどのような方略を提供すれば学生自身の力で看護技術が習得でき、看護職者として活動できることに繋がるのかの解明に取り組む。
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研究実績の概要 |
近年、発達障害を有する看護大学生への支援や合理的配慮の体制整備などについて関心が高まっている。なかでも自閉スペクトラム症(ASD)の発達特性を有する看護系大学の学生の潜在が示唆されており、看護大学生が学習を進めるうえで求められる実習や演習に対応する支援体制の必要性が求められている。一方で、障害開示という繊細な問題が関係することから、当時者からみた困難を明らかにした研究はなく、具体的な支援に繋がっていないのが現状である。本研究では、看護大学生が最初に取り組む基礎看護学の技術演習に焦点化し、発達障害傾向のある看護大学生の技術演習における困難の様相はどのようなものか、教育者がどのような方略を提供すれば看護大学生自身の力で看護職者として活動できることに繋がるのかの解明を目的として取り組んでいる。 しかし、発達障害傾向のある看護大学生を対象に半構造化インタビューを実施することに関して、対象者のリクルートが想定以上に困難を極めていた。そこで令和4年度は、新たに「技術練習に時間がかかる」、「焦ってしまい、違う行動をとってしまう」、「身体が固まってしまう」など、看護大学生自身が看護技術演習時に感じる困りごとの例を示し、「演習時の学習がうまくいかない経験を語る」といった点に焦点をあて研究協力者募集のポスターを改良し作成した。またビデオ通話システムの積極的な活用を示し、機縁法による募集依頼にも力を入れ応募を試みたことにより、15名の応募があり、12名の半構造化インタビュー調査を実施することができた。現在、12名のインタビュー録音データの逐語録を作成し、整理・分析を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまで、発達障害傾向のある看護大学生を対象に半構造化インタビューを実施することに関して、対象者のリクルートが想定以上に困難を極めたが、新たなポスター作成や機縁法での募集依頼の強化などによって、12名の半構造化インタビュー調査を実施することができた。現在、急ぎ録音データの逐語録を作成し、内容の整理・分析を行っている。 また、ベトナム国内の工科大学看護学部の看護学生10名にインタビューをする機会を得て、看護技術学習過程についての様子や感想を聴取することができた。教育課程や文化の違いなどあるが、日本における看護技術教育方法を検討する参考になると考える。今後は研究分担者間での専門家会議を定期的に行い進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗はかなり遅れている状況にあるが、貴重な12名の当事者インタビューデータを得ることができた。令和6年度はインタビュー調査の募集を終了とし、研究分担者と共に12名のデータの整理・分析を行い、分析結果をもとにした介入研究の実施を経て看護技術の習得方略を明らかにしたいと考えている。
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