研究課題/領域番号 |
21K10666
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 奈美枝 岩手医科大学, 看護学部, 准教授 (90825481)
|
研究分担者 |
三浦 幸枝 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (50825510)
小松 恵 岩手医科大学, 看護学部, 特任准教授 (50781895)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 承認行為 / 看護師長 / 教育プログラム / 中小規模病院 |
研究開始時の研究の概要 |
看護部組織におけるスタッフナースの能力発揮には、所属部署の看護師長が行う承認の影響が大きい。一方で多様な背景をもつスタッフナースに対して、看護師長が効果的な承認を行うことの困難さも示唆されている。日本の約80%を占める中小規模病院において、看護師長が研修を受講する機会は病院規模で格差があり、研修参加の為に代替職員を確保する困難さや受講費用等を理由に積極的に参加できないことも明確となっている。そこで、中小規模病院に勤務する看護職員の承認の捉え方について構造性を明らかにするとともに、看護師長が承認行為を獲得できる教育プログラムを開発し、その有用性を検証する。
|
研究実績の概要 |
2023年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により見送っていた看護師長およびスタッフナースへのインタビュー調査を進めた。施設の病院長や看護部長(総看護師長)に感染症対策について確認をしながら対象者のリクルートを行い、オンラインを中心としたインタビュー調査を実施している。 並行して、インタビュー調査で得られたデータの分析を進めている。大規模病院と比較して中小規模病院は「職員数が少ない」といった課題があるが、看護師長は自施設の特長として捉え、スタッフナースに対して「業務内容の把握のしやすさ」「職場以外の生活背景の把握のしやすさ」「キャリア志向の捉えやすさ」「心理的な距離の近さ」等を感じていたことが明らかとなった。中小規模病院で就労する職員は、互いの顔が見える関係であるため、それぞれの役割や部署が異なっていても身近な存在である。中小規模病院の看護師長は、スタッフナースの特性や能力などが容易に把握できる状況の中で、承認行為を実践していることが明らかとなった。 現在、質的にデータ分析を進めているが、理論的飽和には至っていない。引き続き、理論的サンプリングから対象者を獲得し、理論的飽和によって看護師長がスタッフナースに対して行う承認の構造性を明らかにしていく。さらに、承認行為を「認知領域」「精神運動領域」「情意領域」に分類して教育内容を精選して抽出し、体系化された教育プログラムの作成を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症法上の扱いが5類に移行しても、調査対象施設である中小規模病院では、院内発生により医療従事者の人手不足が顕著でなった。そのため、業務を優先しなければならない対象者からインタビュー調査の同意を撤回すると申し出が相次ぎ、対象者のリクルートが難航した状態であった。 また、データの分析にも時間を要したため、本研究の目的である中小規模病院に勤務する看護師長の承認の構造化までには至らないことから、上記区分とした。
|
今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年間延長し、対象者のリクルートを行いながら、オンラインを中心としたインタビュー調査を実施する。並行してデータ分析を進め、承認の構造性を明らかにしたうえで、看護師長の承認行為を「認知領域」「精神運動領域」「情意領域」に分類し、体系化した教育プログラムの作成を行う。さらに、これまで実施した調査結果の公表も進めていく。
|