研究課題/領域番号 |
21K10684
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
紙谷 恵子 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70807081)
|
研究分担者 |
伊東 美佐江 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00335754)
前田 訓子 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10738876)
齊田 菜穂子 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00279233)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 意思決定支援 / 妊孕性 / 乳がん |
研究開始時の研究の概要 |
乳がんは女性がんで最も多く,発症時期が生殖年齢と重なる特徴を持つ.がん告知後の心理的に動揺する中,治療開始までの短期間に治療と妊孕性に関する決定を並行して行う負担は大きく,その後の経過に影響を及ぼす.現状では,乳がん患者の妊孕性選択の意思決定の実態が明らかになっておらず,有効な支援が行き届いていない.この難しい意思決定には,支援ツールを活用し患者と医療者が協働して決める共有意思決定が有効であると言われる,本研究では,乳がん患者の納得のいく意思決定を促進する支援を目指して,乳がん患者の意思決定の様相を明らかにし、看護師が支援に用いるエビデンスの高い支援ツールの開発を行う.
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、乳がん診断後の妊孕性温存に関する意思決定支援に用いるディシジョンエイドを開発することである。 本年度は、昨年実施した、乳がん経験者に対するインタビュー調査と質問紙調査の分析結果を踏まえて、ディシジョンエイドの草案を作成した。昨年の調査では、乳がん診断後の限られた期間に妊孕性温存に関する意思決定を行うことの難しさ、例えば乳がんや妊孕性温存に関する情報の多さに戸惑う様子や、妊娠への強い思いから妊孕性温存を十分に理解しないまま焦って意思決定をしてしまう様子が明らかになった。妊孕性温存を行わなかった女性の中には、がん治療後時間が経過した時点においても当時の選択を後悔している者もおり、妊孕性温存に関する意思決定の影響がその後の人生に長期間影響を及ぼす可能性も示唆された。以上より、ディシジョンエイドには、妊孕性温存に対する理解の促進と共に意思決定に対する満足度も高まるような仕様が求められると考えられた。ディシジョンエイドの草案は、Coulter(2013)のプロセスを参考にしながらディシジョンエイドの国際基準(International Patients Decision Aids Standard: IPDAS)の基準も満たし質の担保に努めた。さらに、がん、生殖医療の専門家、専門看護師らとの協働を経て正確な情報の収載を行うと共に支援者側のニーズも取り入れ完成させた。現在、乳がんを経験した女性の協力を得て、ディシジョンエイドの内容適切性に関する検証を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、昨年度開始したインタビュー調査と質問紙調査を終え分析を行った。また、分析結果を踏まえてディシジョンエイドを作成し、現在、乳がんを経験した女性を対象にエイドの内容適切性に関して調査を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
作成したディシジョンエイドの内容適切性に関する調査結果をもとに修正を加え完成させる。今後は、ディシジョンエイドの臨床における実用に向けて、実際の妊孕性温存に関する意思決定場面におけるディシジョンエイドの効果検証を行うと共に活用方法について検討を行う。
|