研究課題/領域番号 |
21K10700
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
田中 孝美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (60336716)
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研究分担者 |
西片 久美子 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (90316307)
藤田 淳子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 教授 (10553563)
石原 美和 神奈川県立保健福祉大学, 実践教育センター, センター長 (10803976)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 患者安全 / 転倒 / ヘルスケアレジリエンス / レジリエントな実践 / レジリエント・ヘルスケア / 安全 / 転倒転落 / 動的な日常 |
研究開始時の研究の概要 |
保健医療の現場における患者の転倒・転落は、発生頻度の高い医療事故であり、重篤な状態を招くリスクがあるだけでなく、受傷による入院治療の長期化や要介護状態への移行、生命予後への影響が指摘されている。従来、先行研究によって明らかになったリスク要因を踏まえ、保健医療の現場では転倒・転落リスクアセスメントツールを用いてハイリスク患者を特定してきた。しかしながら、転倒・転落予防のケアを実践することには必ずしもつながらないという課題が指摘されている。本研究の目的は、レジリエント・ヘルスケアの概念と手法を用いて、保健医療現場の動的な日常における患者の転倒・転落を回避するレジリエントな実践を解明することである。
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研究実績の概要 |
1.研究全体計画の第1段階である2次データを用いた現状分析の位置づけで、日本でのコロナ禍における医療事故の現況について2次資料に基づく基礎的分析を次のように行った。公益財団法人日本医療機能評価機構ホームページで公開されている医療事故情報収集等事業のデータベースを用いて、2018年、2020年、2022年に報告された医療事故を分析した結果、転倒は全体の約2割を占める頻度の高い事故であり、転倒報告患者の年代はより高齢にシフトしていた。また、転倒報告事例の発見・初期対応を行っている職種として看護師が最も割合が高く全体の9割を占めている現状を把握した。 2.研究全体計画の第2段階である本調査のデータ収集(フィールドワークとインタビュー)に関しては、所属機関の研究倫理審査の承認を得て、研究協力施設の募集を開始した。研究協力に同意の得られた地域医療支援病院1施設、訪問看護ステーション2施設において、研究参加者を得て、フィールドワークとインタビューによるデータ収集を開始した。また、介護老人保健施設の研究協力の承諾を1施設から得て、研究参加者の募集を行った。 3.保健医療現場の動的な日常における転倒・転落を回避するレジリエントな実践に関して、身体抑制廃止に先駆的に取り組んできた医療機関を視察した。転倒転落の回避と予防への取り組みが日常のケアにどのように織り込まれて実践されているのか、そのレジリエントな実践の特徴として、入院時からの経時的なアセスメントの実質化と共有の仕組み、個別のアセスメントに基づいた日中・夜間の療養環境保全にむけた病棟スタッフの連携と協働、患者の日々の生活を尊重した転倒・転落を回避するケア提供の工夫などについて示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染症流行の影響により、データ収集開始時期が遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長し2024年度が研究助成期間の最終年度となる。開始した本調査のデータ収集、分析をすすめる。特に、本研究課題での取り組みであるレジリエンス・エンジニアリングの考え方を用いた転倒・転落を回避するレジリエントな実践に着目し、成果のまとめを遂行する。
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