研究課題/領域番号 |
21K10701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
河野 貴大 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (80837849)
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研究分担者 |
加納 江理 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (90797953)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / コミュニケーション機器 / 多職種連携 / 筋萎縮性側索硬化症 / 在宅療養支援 / 障害受容 / ケアガイドライン |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)は進行性の難病であり、中年期以降に発症することが多いため、患者はこれまで行ってきたことが徐々にできなくなるという喪失体験に直面する。しかし、ALS患者の中には、車椅子で仕事をしたり、病室で人工呼吸器を装着しながらも俳句や詩を楽しむなど自分らしい生活を送る患者もおり、言語に代わるコミュニケーション機器の活用が非常に重要である。本研究では、在宅療養の支援者および病院の医療チームからコミュニケーション機器導入のプロセスや関連要因を明らかにし、ALS患者の病気の進行に伴う障害受容過程に応じたコミュニケーション機器導入のためのケアガイドを作成する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、在宅療養の支援者および病院の医療チームからコミュニケーション機器導入のプロセスや関連要因を明らかにし、ALS患者の病気の進行に伴う障害受容過程に応じたコミュニケーション機器導入のためのケアガイドを作成することである。 2022年度は、入院中のALS患者に対して行われているコミュニケーション機器に関する支援の構造を明らかにするための研究を実施した。本研究の対象者は、神経難病患者が多く入院している病院に勤務し、ALS患者のコミュニケーション機器を導入した経験のある専門職者(看護師、理学療法士、作業療法士)で、専門職としての経験年数が3年以上の者とした。研究対象の条件に合う候補者のうち本研究に承諾の得られた対象者に対し1回30分程度の半構成的面接を2回行い、得られたデータを質的帰納的に分析した。その結果、対象者は10名で、看護師が3名、理学療法士が1名、作業療法士が6名であった。入院中のALS患者、家族に対して行うコミュニケーション機器に関する支援の構造として、6つのカテゴリが抽出された。これらの結果から、病院に勤務する専門職者はできるだけ診断後早期からコミュニケーション機器に触れる機会を提供した方が良いと考え、入院中に積極的に機器操作の練習を行うことを意識して関わっていることが考えられた。また、入院中はカンファレンス等で多職種による情報の共有が行いやすく、コミュニケーション機器を日々の生活に取り入れていくなかで生じる困りごとを把握し、多職種にうまく繋いでいく看護の役割の重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に予定されていた研究についてはデータ収集・分析まで完遂できたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、これまでの研究成果を学術集会および論文として公表することに加え、臨床で活用可能なケアガイドを作成する予定である。ケアガイド作成にあたり、日本難病看護学会認定の難病看護師や神経難病患者のケアに精通した理学療法士、作業療法士、神経内科専門医からなる専門家会議を複数回開催する。さらに、ALS協会の開催する交流会に参加し、実際の患者・家族の意見も聴取し、適宜ケアガイドの修正を行うことを予定している。
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