研究課題/領域番号 |
21K10708
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
加藤 茜 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (90883215)
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研究分担者 |
木澤 義之 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (80289181)
山勢 博彰 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90279357)
宮下 光令 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90301142)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 緩和ケア / アンメットニーズ / ICU / ER / クリティカルケア |
研究開始時の研究の概要 |
ICUやERの死亡率は高く、患者や家族は身体的・心理社会的・スピリチュアルな苦痛を経験する。海外のICU・ERでは、全ての患者と家族に対し緩和ケアスクリーニングを行い、必要な場合は直ちに介入が開始される。一方、日本のICU・ERでは緩和ケアの必要性が普及しておらず、現状を示す疫学的データもない。そのため、ICU・ERの患者や家族がどのような緩和ケアニーズを抱え、医療者がどの程度対応できているのか明らかではない。 本研究は、ICU・ERの患者・家族の緩和ケアアンメットニーズを明らかにし、アンメットニーズ解消ケアプログラムの確立に向け、インタビュー調査・縦断調査・Feasibility検証を行う。
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研究実績の概要 |
研究課題であるICU・ERにおける緩和ケアのアンメットニーズを調査するに先立ち、まずは現状どの程度ICUやERで医療を受ける患者やその家族が医療に満足しているのかを明らかにする必要があると考えた。そのため、2021年度はICUにおける患者満足度を測定する尺度の日本語版作成に取り組んだ。作成者より翻訳許可を得たうえで、トランスレーション・バックトランスレーションを行った。その後、クリティカルケアに精通しているエキスパートを多職種から抽出し、エキスパートパネルを実施した。エキスパートパネルにより、項目修正を行い、再度バックトランスレーションを行い、作成者に確認を行った。次の段階として、医療者・非医療者を対象に意味の了解さ、回答の容易さを調査し、1回修正を行った。その後、バイリンガルテストを海外で勤務している医師・看護師・理学療法・助産師など計5名に対して実施し、日本語版と英語版の回答の一致率を確認した。重みづけΚ係数は0.52と中程度であることが確認できた。現在は、次の段階としてICUの患者を中心にパイロット調査を行う準備を進めている段階である。なお、ICUやERの患者特性を配慮し、家族代理評価可能性も同時に検証する予定である。くわえて、クリティカルケア領域は患者に意識がなく、家族が代理意思決定などを行うことも少なくない。そのため、患者とは独立して家族の視点から患者満足度を評価してもらい、患者との一致率を確認することで家族の代理評価可能性も一緒に検証することを予定している。このパイロット調査が終了次第、全国のICUやERにおいて調査を行うとともに、評価が低かった患者やその家族から聞き取り調査を行い、満足できなかった要因を明らかにしていく計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの蔓延により、患者家族が面会できていない状況が続いている。そのため、現状でインタビューを行っても「面会できない」というアンメットニーズが最大要因となることが明らかである。また、面会できていないため、医療者や提供されている医療を目にすることもなく、アンメットニーズを抱く場面が大幅に少ないと考えられる。以上のことから、患者や家族に聞き取り調査を実施する時期は不適切と判断し、延期している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の面会可能状況を見ながら、患者および患者家族へのアプローチ時期を判断する。また、ICUおよびERの医療者が推定するICU・ERの患者および家族のアンメットニーズの内容も聞き取り調査を行い明らかにしていく。そして、患者および家族から語られた内容と、医療者の認識がどの程度一致しているのか、ずれている内容は何かを明確にしていく。
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