研究課題/領域番号 |
21K10710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大達 亮 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10760796)
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研究分担者 |
矢田 浩紀 山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (80644442)
安達 圭一郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90300491)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | negative capability / 精神科看護師 / 不確かさ / リカバリー / 精神科看護 / ネガティブ・ケイパビリティ / 精神看護 |
研究開始時の研究の概要 |
精神科看護師は複数の不確かさを抱えながら実践をしている。本研究では、不確かさへの対応の方略として“negative capability”という概念に着目する。negative capabilityは「不確かさや懐疑の中にいられる能力」とされるが、明確な定義付けには至っていない。精神科看護師は患者の生活の中で実践をする職業上の特性やリカバリー志向により独自のnegative capabilityが存在すると推察された。本研究では長期入院患者のリカバリー事例についてインタビュー調査を行い、精神科看護師のnegative capabilityの概念構築と獲得プロセスの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、精神科看護師のnegative capabilityの概念構築およびnegative capabilityの獲得プロセスの明確化である。当該年度においては前年度に行った4名に加えて、3病院において10名の看護師へのインタビュー調査を行うことができた。研究参加者は精神科病棟で勤務する看護師だけでなく、外来やデイケアや訪問看護に所属する看護師も加わり、それぞれの視点から長期入院事例の看護実践の難しさやその困難の中で自らの実践を支えたものについての語りが得られた。今回のインタビュー調査によって得られた語りの質的分析を現在は行っている。語りの傾向としては、以下のようなことがあがる。長期に及ぶ看護実践を継続できる要因としては、自分自身の内的な要因として、自己変容可能性の自覚や長期支援用の時間感覚の保持、ミクロな視点の獲得や非効率性への許容などがテーマとして語られ、それらの要因は看護師自身のキャラクターやライフイベントとひも付きて語られていることが多かった。一方で長期に渡る看護支援を支えた外的な要因についても語られた。それは看護師が所属する病棟のシステムといったフォーマルな仕組みへの信頼という形で表現されることもあれば、インフォーマルな同僚からの支援といった形で語られることもあった。インフォーマルな同僚からの支援の具体例としては、情報の共有や率直な話し合いなどを通して得られる協働の感覚などが上がる。また自らの看護実践の効果や対象者への意味などは自覚的に語られないこともあり、実践との関連について今後検討していく必要が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初目標としていた研究参加者の協力を得てインタビューを実施することができており、分析対象となる逐語録も概ね完成した状態である。現在一次的な分析を進めている状況であり、概ね計画にそった進行状況であるため。
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今後の研究の推進方策 |
一次的なインタビューについてはすでに実施することができたため、このデータをもとに今後は分析を進めていく。データ分析の状況によっては追加のインタビューの必要性も生じることが考えられるため、今後は分析と二次的なインタビューを並行して実施していく可能性もある。
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