研究課題/領域番号 |
21K10715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
石貫 智裕 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (50895076)
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研究分担者 |
原田 敬介 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00560004)
升田 好樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10244328)
水口 徹 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (30347174)
大柳 俊夫 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (70177020)
成松 英智 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70295343)
巽 博臣 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (70404613)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | QOL / 睡眠 / 不安 / ウェアラブルデバイス / PHR / EHR / 手術部位感染症 / 医療費 / ヘルスサポート / ICU日記 / リハビリテーション / ICUダイアリー / IoT機器 / RCSQ / 電子情報収集 / 精神支援 / Webシステム / 予後予測モデル / ePRO / MDx |
研究開始時の研究の概要 |
救急医学・集中治療分野における重症患者とその家族は回復後においても精神的障害や睡眠障害がQOL低下を招いている。その状態を解析するため、本研究は患者データの集積を行い、精神・睡眠障害の予後予測モデル開発を目的とする。また、障害を軽減するためにICUダイアリー・情報提供・患者間コミュニティ・睡眠サポートの提供をオンライン上で行い、予後改善を目的とする。ePROによるデータ集積と、機械学習による精神・睡眠障害の予後予測を行う。臨床における状態把握と精神・睡眠支援、重症患者とその家族の長期的なメンタルヘルスやQOLの向上を目指す。
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研究実績の概要 |
患者データの集積と情報提供を行うWebシステムの開発はR4に完了し、臨床運用を行った。本システムは患者報告アウトカム(QOL、不安、抑うつ)や音声感情解析AI、ウェアラブルデバイスなどのデータを総合的に取得し、評価結果を患者へフィードバックするもので、現在80名程度の登録と解析が完了している。これまでに、1) 乳がん患者の術後不安は軽減するが術後QOLは悪化する、2) 乳がん患者の不安を増悪させる因子として無職・合併症があげられる、3) 乳がん患者のQOLを増悪させる因子として生活自立度の低さが挙げられる、4) がん患者は手術部位感染の発症によってドレーン留置や入院期間が延長し精神的予後も悪化する、5) SSI発症の危険因子として手術時間の長さと開腹手術があげられる、6) SSI発症によって医療費が80万円程度増額する、といった研究成果が得られており、学会及び海外雑誌にて報告した。 ヘルスサポートツールの開発としては、WEBシステムを活用し夜勤を行う医療者やその家族の計60名に対し、ウェアラブルデバイス併用による睡眠状況の調査とフィードバックシステムの運用を行った。その結果、以下の2点が明らかとなった。1) 医療者とその家族の睡眠の質に対しては歩数の増加が好影響を与えること、2) 夜勤日数の増加と眠剤の内服は睡眠の質に悪影響を及ぼすこと。本研究のシステムは低侵襲に十分量のデータ収集が可能であり、今後の臨床試験に活用可能であることを確認した。 今後の臨床試験における問題点の探求のため、ICU患者に対するICU日記やリハビリテーションの効果について文献検討を行い、以下の2点を明らかとした。1) ICU日記は不安を軽減すること、2) リハビリテーションはQOLを向上させること。この文献検討により、今後臨床試験で行うヘルスサポートツールのエビデンスとしてICU日記の効用値が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の開発部分に関しては、計画通り進行できている。コロナの影響により臨床運用に幾ばくかの支障はあったものの、計画はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、コロナによる規制が緩和されたため、臨床運用を加速させ症例数を100名程度まで確保する。また、ICUダイアリー機能に関しては、ICU患者の意識レベル低下や面会制限による家族介入の困難さを経験した背景から、さらに発展的なシステムの開発を進めていく。具体的には、音声から逐語録を自動作成し要約する機能を企画・開発中である。開発が完了し次第、臨床での運用を開始し、患者の幸福度効果を検証していく予定である。
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