研究課題/領域番号 |
21K10721
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
渡邉 直美 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (40736782)
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研究分担者 |
鎌倉 やよい 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, その他 (00177560)
三浦 由佳 藤田医科大学, 社会実装看護創成研究センター, 講師 (30791587)
真田 弘美 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50143920)
深田 順子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (60238441)
坂上 貴之 慶應義塾大学, 文学部(三田), 名誉教授 (90146720)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 食道発声 / 発声トレーニング / 新声門 / シングルケースデザイン / 超音波診断装置 / 喉頭全摘術 / トレーニングプログラム / 失声へのケア |
研究開始時の研究の概要 |
喉頭癌や下咽頭癌に対して行われる喉頭全摘術及び下咽頭喉頭頸部食道切除術は、喉頭と共に声帯が摘出される術式である。患者は術後に声を失うため、新たなコミュニケーション手段を獲得する必要に迫られる。その手段の1つが食道発声法である。 本研究では、1)食道発声熟達者の発声状況を可視化し一連のメカニズムを明らかにして食道発声モデルを構築する、2)構築した訓練法の効果をシングルケースデザインに基づき実験的に検証しプログラムとして確定する、さらに、3)その過程における「新声門」の形成及び食道発声のための口唇・舌の動きの獲得プロセスを可視化して明らかにする。
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研究実績の概要 |
【目的】食道発声熟達者の食道発声を可視化し、一連のメカニズムを明らかにして食道発声モデルを構築する(目的1)、食道発声の訓練法の効果をシングルケースデザインに基づき実験的に検証し、食道発声トレーニングプログラムとして確定する(目的2)、その過程における「新声門」の形成及び食道発声のための口唇・舌の動きの獲得プロセスを可視化して明らかにする(目的3)。 【方法】目的2:昨年度、食道発声を獲得した1名を除く4名に対し、食道発声トレーニングプログラム試案に基づく訓練を継続して実施した。4名の術式は、対象者A:喉頭全摘術、B:喉頭全摘術(空腸再建)、C:喉頭全摘術(空腸再建+気管空腸シャント)、D:喉頭全摘術であった。食道発声トレーニング時の学習者への身体の使い方については、目的1の結果をもとにフィードバックを行った。 目的3:目的2の対象者4名と昨年度食道発声を獲得した1名に対し、原則として2週間に一度超音波診断装置を用いて経時的に新声門を観察した。新声門の形成プロセスについて、目的1の結果を新声門の完成形とし、その形態に変化を遂げるまでのプロセスの仮説検討に用いた。 【結果】目的2:対象者Cは、シャント発声を獲得して訓練を終了した。しかし、食道発声の獲得を希望され、シャント孔に蓋をした状態で食道発声の訓練を開始した。A、B、Dは、最終段階の文章の朗読の訓練を行っている。プログラム試案の効果は、視覚的分析に加えてTau-U検定によって確認し、食道発声を確実に獲得できるプログラムを作成できた。目的3:対象者計5名の観察結果および目的1の食道発声熟達者5名の新声門の完成形から、新声門の成熟プロセスには5段階があると推測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的2:プログラム試案は、食道発声トレーニングプログラムとして確定された。さらに、食道発声トレーニングのアルゴリズムを作成した。 目的3:学習者4名と食道発声を獲得した1名の新声門は、成熟プロセスの5段階のうち、第3~4段階目の変化を遂げていることを確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
目的2:対象者A、B、C、Dに対して、食道発声トレーニングプログラムに基づく訓練を継続する。 目的3:学習者4名と食道発声を獲得した1名の新声門が最終段階に変化を遂げるまで観察を継続する。
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