研究課題/領域番号 |
21K10723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
犬飼 智子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (80598516)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 脳卒中 / 家族介護者 / 縦断的研究 / 多職種連携 / 多職種 / 家族 / 急性期 / 維持期 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中は、重大な後遺症を生じ、寝たきりや認知症といった要介護原因となる。発症は突然であり、運動障害や高次脳機能障害等によって日常生活動作への多大な影響をもたらし、患者、家族の生活は一変する。患者が自宅退院し在宅生活へ円滑に移行していくためには、急性期、回復期、維持期の経過において多職種が連携し、主介護者となる家族への継続的支援が重要となる。 本研究では、脳卒中患者の家族介護者が、急性期・回復期・維持期の経過において、直面する困難な状況にどのように対処し家族の力(Mastery)を獲得していくのかを縦断的調査により明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、脳卒中患者の家族介護者が、急性期・回復期・維持期の経過において、直面する困難な状況にどのように対処し家族の力(Mastery)を獲得していくのかを縦断的調査により明らかにする。特に家族の関係性、生活の変化に着目する。具体的な研究目標は、①脳卒中患者の家族介護者は、急性期から維持期において、どの時期にどのような課題に直面するのか、困難な状況下でMasteryを獲得するプロセスを明らかにする、②①のプロセスにおいて、医療者からの支援がどのように役立っているのかを明らかにする、の2点である。 令和3~4年度は、脳卒中患者の家族へのインタビュー調査を実施する計画である。 今年度は、回復期リハビリテーション病棟を有する施設へ研究依頼を進め、現在は4施設から研究協力を得ることができた。回復期リハビリテーション病棟入院中の脳卒中回復期にある患者の家族介護者を対象とし、研究協力依頼を行っている。6事例のインタビューを実施した。そのうち4事例は、脳卒中回復期(発症後3か月程度)、維持期(発症後7カ月以降)に2回のインタビューが実施でき、急性期から維持期への移行のなかで家族介護者から縦断的にデータを収集することができた。 事例Aの分析結果では、急性期では、医師との関係構築の困難が不安を増強させており、面会制限は、家族と医療者との関係性にも影響していることが明らかとなった。回復期では、失語による障害を筆談や交換日記により乗り越え、リハビリ状況から患者の回復の兆候を理解して、患者の望み通りの在宅介護が決定できたと考えられる。そして、維持期では在宅介護となり、経管栄養のケアや家事は家族メンバーの支援を受け、ストレス要因の影響を減らしていた状況を明らかにすることができた。 今後は、事例ごとに質的内容分析をすすめるとともに、依頼施設を拡大し、データ収集を継続して実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、COVID-19の感染状況の悪化によって、対象施設への研究依頼が困難となっている。研究協力の得られた施設が計画よりも大幅に少なかった。さらに施設の感染対策による家族の面会制限が継続しており、研究対象者である家族介護者への研究の依頼が困難な状況が継続していることが要因である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度も、研究依頼を行う施設の範囲を拡大し、引き続きデータ収集および分析を進めていく。研究活動については、COVID-19の感染状況や社会情勢、研究対象施設の受入状況などを総合的に勘案し、研究計画の遂行が困難な状況が続くようであれば、研究対象者の条件や研究手法などについて再検討する予定である。
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